・・・・・
ポルトガルの安ワインと百貨店のサラダにローストビーフを魚にして、
札幌のベーヤンのオフィスで、お家のみを続けていた。
ベーヤン「女って面倒くさい。だって口説き落とすまでに、いろんな手続きがいるんだよ。女だってそれほどの玉じゃないだろうよ。こっちだって普通の男だぜ。お互い様じゃんとおもうけど・・・」
「世の中に自明のこととして理解されている、出逢い、恋愛、セックス、結婚、出産、という順序が、全ての原因だな」
ベーヤン「それって面倒くさい手続きとなんか関係あんの?」
「だってオキシトシンが分泌されて一発やりたいなぁーと思う生物の本能を、人間がこしらえた恋愛という概念で読み替えてしまったのが間違いの元、
恋愛小説を書いている小説家とか、映画とか、ベーヤンの所のCFだってそうだけど、ストーリー化しやすいという理由でセックスと恋愛の順序を入れ替えちゃったんだよ」
ベーヤン「だって順序を入れ替えなきゃストーリーにならないよ。
出逢い、恋愛の順に来て、頂点でセックス、それから所帯を持って出産という方が次第に盛り上がるのでストーリー化しやすいもんね。
これって今じゃ定番のシナリオだよ」
「そんなメディアなどがつくったインチキ・ストーリーが国民のライフスタイルになっちゃった。
本来は、生物の本能が働いて最初はセックスではじまり、
それで相性が良ければ子供ができるじゃん、
じゃぁ所帯を持とうかになって家庭ができる、
それが長く続けば、この女も可愛いと愛着がわいて恋心が芽生える、
それが本来の順序、
恋は、男と女のつきあいの最後よ」
ベーヤン「世の中は、男と女の本来の順序をはき違えたまま暮らしているんだ」
「生物本能が先に来るから先ずセックスと出産が先、
それから長く暮らしているとこの女も可愛いなと思って恋心が生まれる、
セックス、出産、家庭、恋愛の順だろうな」
ベーヤン「ふぅーーん、今の現実は、本来とは違う順序で自分をごまかしながら生活してゆくわけだ。
メディアなどのインチキストーリーに乗ったらどうなるんだろう」
「そりゃ仮面夫婦でしょう。
出逢った、僅かのセックスでゴールインした、
だが奥さんが実はセックス嫌い・・・、
もちろん長く暮らしても愛着がわかないから恋心は皆無、
女って子供は欲しいけどセックスや恋はしたくないというのがいるんだよ」
ベーヤン「うちの家庭だよ、
娘生んでからさあ、上さんとは何年もセックスレス」
「そんなるとすべてが、ママゴト家族"、よ、
夫婦ごっこ、子育てごっこ、親の世話ごっこの仮面夫婦というわけさ」
ベーヤン「離婚したっていいんだけど、
娘と母親が食べられなくなるから非人情になれない」
「ベーヤンみたいに社会的地位があると蒸発というわけにもゆかない、
だから妾をつくるのがいいじゃん、
妾とこれからの人生を楽しめば、
あの日本の首相だった吉田茂だって、最後は妾に看取られていったんだから」
ベーヤン「それだな、男と女の間がイキイキとしてくるのは・・・」
「あっ!、いるじゃん、あれだよ、カメラマンの和恵さん」
ベーヤン「ああっ、あいつかぁー」
「だって、ベッドに誘ったって断らないだろ、
それに面倒な手続き風みたいなこともいらない」
ベーヤン「確かにーー」
「男が誘っているのに断らないという女も少なくなったよ、
都市化して、親の教育が間違って、君んところのメディアとか小説とか映画が恋愛の嘘話でもりたてるから世の中が勘違いしてしまった、
そんな虚構の話で現実の人生をやってんだから、もう驚きだよ」
・・・・
昼飲みの宴は、まだ続く。