小樽も暖かくなってくると、絵のモチーフが少なくなってくる。冬に描いたスケッチでも着彩していようか。
階下では翆が炬燵でパソコンに向かっているようだ。
昼頃階下に降りて翆の画面をのぞき込む。
翆「Fasce BookがやっているInstagramって排他的だと思わない?」
「はぁー??」
翆「ホラ全部若い女の子が綺麗な髪型をして、メイクもファッションもバッチリ決まっていてさぁー、これってファッション雑誌にでもアピールしているのかなぁー。こんなコミュニケーションってあるのぅーー??」
「ちゃんとフォロワーがいて、いいね、しているんだ。美しくなったから不特定多数の人にアピールしたい、ただそれだけでしょう。コミュニケーションは、どうでもいいんだよ。Face Bookだって同じだよね」
翆「FBって、世界70億の人と手をつなげたいってやつね」
「世界の人達が手をつなげたら、繋いだ手の先には殴りたい奴もいれば、戦争したい奴もいる。だからハッピーどころじゃない。アチキのFBなんかお友達の半分ぐらいは国際ロマンス詐欺師だよ。手を繋がなくても向こうからやってくるからね」
翆「コミュニケーションって本来はパーソナルだよね、FBのお友達ぐらいで、私のコミュニケーションの世界にはいってきて欲しくないよねぇー」
「そうなるとうちらのテイストに近いのはLINEだよね、ただし中国がのぞき見しているけど・・・」
翆「それかぁーー!」
そういって翆がアチキの股間を撫でている。アチキはお腹が空いているのに息子に先にご飯かよ。
「でも、セックスがマンツーマン・コミュニケーションの最たるものだということは確かだ」
翆「あらそうお、これ立ちそうじゃん!」
「ううっ!、夕べもしたでしょう!!。そういえばアチキの友人のリュウ君は、二度目の結婚でフィリピン人の奥さんもらって、毎晩セックスしていたんだって」
翆「うちと同じじゃん」
「フィリピンって毎晩セックスするのは、当たり前なんだってさぁー」
翆「だよね、それでぇーーー」
「でね、リュウ君が最近起たないというので、バイブレータを2本調達したんだって。これがそのビデオメール。『えっぇーー、この穴さポコチンへで、ええっ、こった性具もありますね・・・。ええーっ、こぢらは電動のバイブレーターだぅーー』だってさ」
翆「EDね。つまり勃起不全とか勃起障害。今は、バイアグラが治療薬になったから個人では入手できないよね」
「でっ、バイブレータで旨くできたみたいなんだけど、それって一時的だよね」
翆「そりゃそうだ。だからぁー泌尿器科の先生にED治療薬を処方してもらえばいいじゃん。バイアグラとかレビトラ、シリウスなんていう治療薬があるよ。うちの病院にもちゃんとした泌尿器科外来があるからリュウ君を呼んであげたら。フィリピンの奥さんが可哀想じゃん・・・・」
「あっ、その手があるか・・・・」
翆「起たないから立たせてぇーという患者は、結構いるみたい。アチキが起たなくなったらここだな!。泌尿器科の先生は知っているしさ。誰が好いかなぁー、やっぱ一番元気なボッキマン先生だな。予約しておくよぉー・・・・」
えっ、起たないのに起たせるのか・・・。
翆「セックスもコミュニケーションって、さっきいってたじゃん」
ホントに女の性欲は灰になるまでだなぁー・・・・・。
・・・
小樽も、柔らかい陽射しになりつつある。立派な春だ。