翆は夜勤。
真夜中の休息タイムに、看護師の和子さんとボッキマン先生を紹介した事が話題に。
和子さんは、泌尿器科の看護師経験があるから話題は盛り上がる。
和子「あのねえ、ボッキマン先生のところに80歳近いお爺ちゃんが通っていたの」
翆「尿道炎でも起こしたかなぁー!?」
和子「それが、精力が弱くなってきたので回復させたいというわけ。ボッキマン先生は『男だって更年期障害があるから、それが一般的じゃないですかぁー』というわけよ」
翆「80歳で性欲があるんだぁー」
和子「精子の量は少ないけど、勃起するんだって」
翆「でっ、奥さんと、やってるのかなぁー??」
和子「奥さんは既に亡くなっているの」
翆「つまりオンナの人がいるわけだ・・・」
和子「うん、どうもサイトで女の子を引っかけているみたいなんだ・・・・」
翆「元気だねぃ・・・」
和子「それがぁー、あるとき、来なくなったの!」
翆「腹上死でもしたかぁー」
和子「そしたらね、突然ボッキマン先生の所に保健所から問い合わせがあったんだって」
翆「保健所と聞けば、コロナじゃん」
和子「どうも他の病院で隔離されているみたいなの。それで感染経路を調べているんだけど、どうしても経路不明があるんだって。その不明経路から感染したというのが保健所の話なのよ」
翆「それがサイトでつった札幌あたりの女の子経路なんだぁー」
和子「ボッキマン先生も、『それだろうっていってた。うちに来なくてよかったぜ』、だって」
翆「感染経路不明者のなかには、不明にしておきたい事情があるわけだ。夜中に病室を抜け出して夜のお姉ちゃんを買って感染し病院にばらまいた、なんてこともあるらしいよ」
和子「だってさあ、太っていたから高血圧でうちの病院の内科にもかかっていたのよ。そんときお孫さんをつれた真面目そうな息子さん夫婦と一緒だった事もあるの」
翆「それで息子夫婦の手前、若い女の子を買って感染しましたなんて言えないよねぇー」
和子「高齢者感染男性数と感染経路不明数の数値が、どうも相関しているみたいだとボッキマン先生はいってた」
翆「ウッキャー、爺はしかめっ面して偉そうにしているけど、若いお姉ちゃん買って遊んでいるのが内実なんだ」
和子「そうよ、だって今は、お客さんも少ないからお姉ちゃん達の値段もディスカウントなんだってぇー。そしたら叔父様達も買いやすいじゃない」
翆「でっ、そのお爺ちゃん、その後はどうしたの?」
和子「治療の甲斐なく死んじゃったって、ボッキマン先生が言ってた」
・・・・
そんな話を翆は、家でアチキとしていた。
「老人達は、一生の間に沢山経験してきたから、いろんな物事を蓄積しているはずだ。だから、若い人達の手本になると昔のヒトは教えたかもしれない。だが本人も気づくのだが、蓄積したはずの知識や技術が消えている。それが老化だ。じゃあ、威厳だけで装うしかないので威張っているわけだ。
そんな蓄積論というのは、あり得ないですよ。むしろその年代の諸相が走馬燈のように回りめぐっているだけでしょう。人間は、年代毎にそんな回ってくる絵をみているだけで、見ている絵の記憶が蓄積するわけではない。
あえていえば、勉強して、試練をくぐり抜けて、一定の見識ができて、実績を沢山残して、自分のポリシーってできる事はあるだろう。そういうのって顔に出るよね。
でも普通の人は、そんなことしないな。人並みに仕事して遊んですごしているうちに孫もできたが性欲もある。幸せだなぁーと思う反面女の子を買う遊び癖が抜けない。男のプライドの裏側ってそんなもんだよ。だからしかめっ面して威張りくさっていたら女子達は心の底で笑っているよ。まして日本人は外国人と比べたら、ものすごく人相が悪いからなおさらだよねぇー。あるのは性欲と金銭欲だけだもん。それって沢山努力しないと抜け出せないだろうなぁーー」