世界内と世界外

月刊誌【世界】2月号(岩波書店発行)はオバママ新大統領の挑戦「何をどう変えるるか」を特集しているが、私が世界の現在や今後を探る最も指標にしている研究者 寺島実朗さん(尊敬の念をこめて敢えて、さん付け)の特別編の≪直面する危機の本質と日本の針路≫に対し自分との違いを記しておきたい。
 彼はこれまでのアメリカ中心のグローバルな政治経済に対し、世界的な視野のもと歴史的な考察を含め現在を分析し今後の方向を提言している。
 端的に言うと、 世界的な視座に基づく理性的な新秩序の確立、である。
 世界を一つの集まりと見たとき世界内的にはその通りで、私が目にする世界のオピニオンリーダーとして最も説得力を持ち自分の頭を整理してくれる。
 学者として感謝し尊敬することには変わりないし、今後も大いに学びたいと思う。
 全く専門外のド素人の私がどうのこうのとコメントする立場に無い事は十分承知の上で、単なる個人的な感じ方の違いであってもその違いを言葉にする事は、意味のないことではないと考えた。
 一言で言うと、多くのリーダが、国の政治・経済・社会を国内的或いは狭い範囲の立場
で論じているように、彼は視座を世界に拡げながら、世界を世界内的に捉えている。何事も外に立たない限り全体は見えない。
 国やグローバル社会を把握するとき、その一回り外に立って見ることは大事な観点だと思う。同様に、世界を一つの固まりとして見るとき世界内的から、世界外へ出なくては十分な把握は出来ないはずである。
 世界の一回り外は自然も含めた地球である。
 寺島氏が国やその集団を世界に広げたように、政界は視座を地球へ拡げ初めて見えるのではないか?
 彼は今後の経済を理性の回復と一部産業の構造転換も視界に入れ、今後を展望している。しかし世界内的な発想から、「産業構造の転換」はこれまでの延長線上にあって、具体性がもう少し欲しい。
 単なる感覚の違いかもしれないが、今後、もう少しその辺をはっきり具体的に考えたい。
 
 
 
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