沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

おばあ 大丈夫ですか(ひんぷん山羊料理店)

2017-09-14 | やぎ料理

ひさしぶりに、山羊が食べたい気持ちがしていた。

だから、後輩から山羊に誘われた時には、即断だった。

「ひんぷん山羊料理店」へ行かなくてはいけないと思った。

台風の影響で天候が荒れていたので電話で確かめると、今日は営業しているという。

 

オリオンビールで渇いたのどを潤して、山羊刺身をいただく。

山羊の刺身は、100gで1000円の高級品なのだ。

歯ごたえのある皮の部分と、柔らかい肉の部分が併せて出てくる。

ショウガと酢とお醤油でいただくのが、この道55年のおばあの教えだ。

 

泡盛のボトルは切れていたので、新しいのを頼むと、お店の在庫も切れていた。

おばあのお孫さんが、雨の中、買いに行ってくれた。

おばあの娘さんが、息子を追いかけて、「タクアンも」。

のどかだね。

 

お孫さんは名護の緑街にあるひんぷん山羊料理の2号店も切り盛りしている。

お孫さんが戻ってきたので、泡盛(くら)と山羊汁と付け合わせのタクアンをいただく。

山羊汁にはショウガが落としてある。酢醤油でいただく。

汁用の肉は、いろんな部位が入っており、1000円でどんぶりにてんこ盛りなのだ。

 

残念なことに、沖縄でも山羊肉が嫌いな人がいる。

理由を聞くと、山羊特有の臭いがダメという。

不思議だ。

 

この店の山羊は、全く臭いがしない。

理由を聞くと、「新鮮だから」の一言。

メニューは山羊(刺身、汁、そば)の3種類しかない専門店。

この道55年のあばあが2,3時間かけて脂分やあくを取る手法を確立し、常連さんが多い。

 

仕上げは、おばあのお勧め、ごはんを加えて雑炊(ジューシー)で、汁も残さずいただく。

おいしかったです。満足です。

 

ところで、今日は、おばあの姿が見えない。

様子を尋ねると、

「今朝、転んで、骨折して、入院した」という。

1年前と同じですね、というと、「1年前と同じ場所で転び、同じ箇所を骨折した」という。

 

おばあ、ショックだね。

私も、ショックだよ。

山羊を食べたくなったのは、おばあが、呼んでくれたのだろうか。

 

お店を取り囲むように再開発の工事が始まっていて、おばあが構えたこの店も、かなり古い。

今年は89歳なのだから、おばあには転ぶことのない、安全なお店が必要だと思う。