バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

そんなこと… 逆効果ですよ!

2011年10月31日 23時51分10秒 | バス運転士

夕方の某駅行き… なぜか乗客は若い女性とお爺さんの2人だけだった。1分程度の遅れで最後のバス停を通過… と思ったが、時間が時間だけにそう簡単にはいかなかった。その先の大きな交差点からそのバス停まで、信号待ちの車が並んでいたのである。

その交差点の信号が青になったけれど、私のバスの位置からでは一度で行けず… 再び信号待ちをすることになった。しばらくして信号が青に変わり、私は「これで行けるだろう」と思っていたのだが…

さらにその先の… 某駅へ向かって右折する交差点の信号とのタイミングが悪く、大きな交差点からその交差点までの間が車で詰まっていたのだ。私はとりあえず大きな交差点の手前で止まって様子をうかがった。

そして「交差点の先は普通車1台分しか空いていないから、バスが行って止まると横断歩道を完全にふさいでしまう。その先の信号はまだ赤だしなぁ… あ、青になったけれど、今から車の列が動き始めても… あぁ、こっちの信号が赤になってしまった…」ということで、また信号待ちに…

その時! 車内から何やら男の声が… ジジイの独り言であった。それも私に聞こえるか聞こえないかの微妙な大きさの声で… 「何をやっとるんだブツブツ…」「なんで行かんのだブツブツ…」「まったくブツブツ…」などなど…

しばらくして信号が青になり、「さぁ、行こう」と動き出した瞬間、緊急車両の音が聞こえたので、私は止まって前後左右を見回した。そこで再びジジイは「この運転士は何をブツブツ…」と言い始めた。しかし、緊急車両の音はすぐに聞こえなくなったので、私は交差点を通過した。

ところが、私が右折するべき交差点の20~30m手前に、脇道へ入ろうとしている1台の右折車がいたのである。片側一車線の道路なので、その車と歩道の間隔が微妙な狭さで… 対向車も途切れそうになく… 私は迷った。

前方の交差点の信号が青だったので、私は「行きたい… 行けそう…」と思ったのだが、聞きたくもないジジイの独り言によって、私の心は少なからず波立っており… 「こんな精神状態で正常な判断ができているのだろうか? 万が一、ここで無理してバスを擦ったら… 死ぬまで後悔するだろう」と思った。

しばらくして、対向車が途切れてバスも通り抜け… しかし信号は既に赤… そこでまたまたジジイが「こいつは何なんだブツブツ…」「(自分が乗ったバス停から)10分もかかってブツブツ…」と言い始め、終点到着時に私が「ご乗車ありがとう~(後略)」と言うと、「そんなこと喋っとらんとブツブツ…」と言いながら降りていった…

大きな交差点はともかく、最後の交差点については… 私が冷静な判断で右折車の左側を無事に通過して、青信号に間に合った… かもしれない。お爺さんがブツブツ言っていなければ… ね!