あるバス停から数名の乗車があった。その中の一人… ちょっと派手なルックスのオバァサンが、携帯電話を持ったまま、「すいません」と言いながらフリーパスを見せた。バスを待っている間、ずっと電話をしていたようだ。
私は「着席するまでに、話を終わらせてくれればいいや」と思っていたのだが… そのバァサンは私の期待を裏切り、通話を続けていたのである。「まぁ、それでも… 軽く注意すればやめてくれるだろう」と思って、「バスの中では電話をしないで下さい。お願いします」と言ってみた。
しかし… 私の“お願い”は完全に無視され、ババアは通話を続けていた。前回の登場がいつなのか思い出せないくらい、超久々に現れた悪質な携帯人間… 私の勝負勘(?)はすっかり鈍っており、その後はどのように対応していたのか忘れてしまった…
しばらくして話が一段落したようで、ババアは電話を切って… さらに、こういう人間にありがちな“車内ミラー越しに運転士の顔を見ようと前を覗き込む”という動きを見せたので、こういう時だけ“親切な”私は“顔がよく見えるように”上体をミラー寄りに傾けてあげた。
ババアが私の顔を見ようとしたということは、私のお願いが“聞こえなかった”のではなく、“聞こえたけど無視した”ことの証である。心の中で「次回、会った時には覚えておけ!」と言ったところで… それまで私がババアの顔を覚えていられるかどうか… もう既にボンヤリと… ハハハ…