先日の朝6時過ぎ… あるバス停に10名ほどの乗客が待っていた。そして、その中には車椅子の男性の姿もあった。私は、いつものように車内の決められた座席を畳んで、スロープを出して乗ってもらった。
私が車椅子固定用具を使って… と、その時! 「あぁ~! 駄目駄目! (車椅子が)壊れちゃう!」と強く言われてしまったのである。さらに「ほら、あの~、横の止めるやつ(転倒防止ベルト)と、下のアレ(輪止め)だけでいいから!」と付け加えられた。
そこで私は「そんなこと言われても困ります! 決まりなんですよ! 万が一のことがあったらどうするんですか! 責任を持てませんよ!」と強く言い返… せる… はずもなく… この気弱な私が…
そこで「このバスには(車椅子用の)輪止めがないんですよ」とだけ言うと、男性は「あそこにあるだろう!」と言いながら、車内前方を指差した。そこにはバス用の大きな輪止めが2個… 私は「あ、アレはバスの…」と言いながら持ってきて、言われるままに置いた。
その間ず~っと、私は「いつもこうなのか?」と思いながら、その人の性格、バスの遅れ具合、車内の雰囲気、事故の確率… 様々なことが頭の中をグルグル回り、最終的には「慎重なる運転で走って、もしも何かあったら… 私の責任ということでいいんだろう?」と腹をくくった。
車椅子の人が“しっかりと固定すること”を嫌う最大の理由は「自分のために時間がかかり、他の人に申し訳ないから」だと思う。だから、車椅子の固定をもっと簡単にできれば良いのだが… 例えば“調教されたニシキヘビ”が一瞬にして車椅子と手摺りなどをグルグルッと…(アホか! みんな嫌がるわ! オマエが運転席のシートベルトでやってみぃ!)