バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

行く手を遮るおばさん、直立不動のおじさん

2012年08月14日 20時58分54秒 | バス運転士
お盆休みの朝ということで、いつもは遅れる某地区巡回バスもスイスイと… 時間調整停車をしながらの運転となった。すると、“いつもと違う”ということで、発車時刻待ちをしているバスに向かって走ってくる人が続出した。


あるバス停で時間調整を終え、周囲を再確認し、「お待たせ致しました。発車します」と言って扉を閉め、ブ~ンと走り出したところで、約50m前方から走ってくる一人のおばさんを発見した。私は「まさか…」と思いながら20~30m行ったところを右折… 出来なかった。


案の定、そのおばさんに行く手を遮られたのである。バスが遅れていないという現状と、少しだけ田舎の雰囲気を感じさせる場所のせいか… 私は「ま、いっか」と思って前扉を開けた。おばさんは「ありがとう」と言ってくれたが… 苦情になる時はどっちにしてもなるものである。


また、あるバス停を30秒ほどの遅れで通過しようとした時、ちょうど一人のおじさんがバス停の近くを歩いていたので、私はそのおじさんをよく見て… 目と目が合って… 恋が芽生え…(ナイナイ! そんなもん芽生えても困るわ!) 特に何も動きがなかったので通過した。


50mくらい先の交差点の信号が赤になり、私はバスを止めた。そして、何気なく周囲を眺めていたのだが… 左ミラーに“バス停に立っているおじさん”が映っていたのである。


一瞬「ドキッ」とした私だが、おじさんは微動だにせずバス停を見ているようだった。もしも「私に置いていかれた!」のであれば、こちらを見たりするはずで… 多分、いつか乗る時のために時刻や経路を見ていたに違いない。


ん? 実はおじさんには恋心が芽生えてしまい… 今後、そのバス停で私を待っているかもしれないって!? ハハハ… 大丈夫! いつもその某地区巡回バスをやっているわけじゃないから… って、念のために調べてみたら、明日の勤務にも少しだけ入っていた。ナニナニ? これも運命だって!? アホなこと言わんでくれぇ~!