バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

いる? いない? いた!?

2015年01月11日 21時08分06秒 | バス運転士
朝、あるバス停に接近中… 「次は、もともと乗客が少ないバス停だし… 日曜日のこんな時間では誰もいないだろう。30秒くらい時間調整停車だなぁ~」と思っていたのだが、ベンチの上に置かれている手提げバッグが見えたので「あぁ、誰かいるんだ。意外だったなぁ~」と思った。


しかし、バス停およびその周辺には猫の子一匹見当たらず… とりあえず私はバスを止めて、「本当に誰もいないのか?」と周囲をキョロキョロ… すると! 手提げバッグがユラユラと宙に浮いて「♪ヨ~デル、ヨ~デル、ヨ~デル、ヨ~デル…」と乗ってきた… なぁ~んてことはない! 結局、発車時刻まで誰も現れず… 私はバスを発車させた。(ちなみに、約2時間後に再び通った時には、手提げバッグはなくなっていた…)


昼、あるバス停に接近中… 「あ、誰かいる!」と思って、止まるつもりで減速したのに… バス停の間近まで行って「あれ? 誰もいない!? 人影が見えたような気がしたんだけどなぁ~」ということが… 今日に限らず、時々ある。バス停というのは、街路樹やら歩道橋やら様々な柱やら… 意外と見辛いのである。


大抵の場合、バス停で止まった時に「あの看板だったのか!」とか「この木だったのか!」と、“人影の正体”が判明してスッキリするのだが… たまに「あれぇ~? 茶色っぽいコートが見えたような気がしたんだけど… 茶色いモノなんてないなぁ~」ということがあるのだ。 ♪妖怪の~ せいなのね。そうなのね!?


夜、あるバス停に接近中… バス停の後ろにある自動販売機の灯りによって、一つの大きな人影が黒く浮かび上がっていた。私は「これは… 動いているし… すぐ横に大きな旅行バッグも置いてあるし… 乗客に間違いない」と思って、「××停、止まります」と言って減速したのだが… バス停の間近にまで来て、それが間違いであることに気が付いた。


その人は、バスなんかに見向きもせず、自動販売機の“硬貨返却口”に指を入れた後、機械の下を覗き込んでいたのである。旅行バッグに見えたモノは、大きなゴミ袋だったようで… しかし、私は“乗りかかった船”ならぬ“止まりかかったバス”を、そのままバス停に止めて前扉を開け… すぐに閉めて発車した。まさか… 妖怪・小銭ジジイだったりして!?(そんな妖怪おらんわ!)