身内ドッキリ

営業所を出発する前…　バスの点検やミラーの調整などの他に“そのバスで（昼寝休憩前、昼寝休憩後、あるいはその日１日）自分が走ることになっている路線すべての入力”という作業がある。それは、主に行き先表示やバス停表示をスムーズに行うための準備である。

ただ、中には“途中で他の運転士さんとバスを交換する”コースもあり…　今日、私の担当したコースが正にそれで、昼寝休憩前の朝７時頃から午後１時頃までの途中…　午前１０時頃に某駅の待機場所で、他の運転士さんとバスを交換した。

なぜ、バスを交換するのかというと…　いわゆる中型のバスで走る路線と、大型のバスで走る路線が、そのコースに混在しているからである。なぜ、混在しているのかというと…　いつか書いた“連続４時間超過乗務に抵触するコース”を、強引に切り張りして修正したからである。

さて、交換したバスのミラー調整などをやった後、「そろそろ発車だなぁ～」と思いながら、運転席窓際にあるボタンを押した。すると、行き先表示が変わり、「このバスは～」というコンピューター音声が流れ…　私は「えっ！？　そうだっけ？」と驚き、慌てて自分のコースのカードを見直した。

なんと、行き先は同じ営業所前ターミナルでも“経由の異なる路線”が入力されていたのである。もしも、そのまま乗り場に着けて発車しようものならば、気付いた時点で営業所に電話…　危うく“運行ミス”になるところだった。バスを交換した運転士さんが“親切心”で私の路線を入力してくれていたのだから…　文句は言えない。

営業所前ターミナルに到着してから僅か数分後…　「そろそろ次の発車だなぁ～」と思いながら、例のボタンを押した。すると、行き先表示が変わり、「このバスは～」というコンピューター音声が流れ…　再び私は「えっ！？　そうだっけ？」と驚き、慌てて自分のコースのカードを見直した。

なんと、今度は…　入力されていた路線は正しかったのだが、往路と復路が違っていたのである。一瞬、私は「あっちの駅へ回送しなきゃいけなかったのか！？」とドキッとしてしまった…　まぁ、これもバスを交換した運転士さんの親切心…　ん？　ひょっとして、私にネタを提供してくれるためにワザと！？　そりゃ～　文句どころか御礼を言わなきゃね。ハハハ…　ちょっと危なかったけど…