バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

親子の会話がプレッシャー!?

2010年11月20日 21時29分52秒 | バス運転士

始発の某駅で、男の子(推定4歳)を連れたお母さんが乗ってきた。発車時刻になるまで、男の子があっちに座りこっちに座り… 私はとても不安になったが、そこはお母さんがしっかりと注意して、発車してからは大人しく座っていた。

しかし、途中の信号待ちで親子揃って席を移動して… 一番人気の“助手席”にやって来た。しばらくの間、私には関係ない会話をしていたのだが… その後の赤信号で止まった時に風向きが変わってしまった。男の子の「どうして止まったの?」という質問に対して、お母さんは「信号が赤だから止まったの。黄色も止まれなのよ」と答えたのである。(男の子はアイドリングストップのことを言ったような気がしたのだが…)

私は「そりゃそうだけど… 実際には難しい場合もあるからなぁ… お願いだから、この親子が乗っている間だけは、変なタイミングで黄色にならないでくれぇ~!」と祈りながら走っていた。すると、私の祈りが神様ではなくお母さんに通じたのか、お母さんが「でもね、青の時に交差点のすぐ近くまで来ていたら、止まらなくてもいいのよ」と言ってくれた。それに対して男の子からの返事はなかったけれど…(やはりアイドリングストップのことを言っていたのかもしれないなぁ…)

終点では親子一緒に「ありがとうございましたぁ~」と言いながら降りて行った… その一言がオジサン運転士を元気にしてくれるのであった…


私から移される!?

2010年11月19日 16時07分19秒 | バス運転士
信号待ちをしているマイカーの左側へ並んで止ま… と思ったら、左後部座席の窓が開いており、二人の男の子(推定3~4歳)が外を見ていた。私はバスを停止線まで出さずに、その子たちの斜め後ろで止めた。


すると、彼らはすぐに私の方を見て手を振ってくれた。もちろん私も手を振った。こういう場合はいつもそうだが、どちらも最初は照れくさそうに、そして徐々に激しく…


と、その時、なぜか窓ガラスが上がってきてしまったのである。彼らは一瞬驚いたようだったが、すぐに“敬礼!”のポーズをとった。もちろん私も敬礼した。


間もなく信号が青に変わり、彼らは半開きの窓から手を振ったまま行ってしまった… 窓ガラスを閉めようとしたのは親御さんか!? 多分、寒かっただけのことでしょうが… もしも「この運転士のアホが子供たちに移らんように」と思ったのならば… 正解です! ハハハ…


お喋りが好きなんだから…

2010年11月18日 21時41分44秒 | バス運転士

昨夜8時頃、某住宅地で発車時刻待ちをしていた。そんな時間にそこから乗る人はとても少なく、乗客はゼロだった。そこへ、1分ほど前に到着したばかりのバスから、一人の女性と運転士が一緒にやって来た。

女性は、私のバスの行き先表示を見ながら「このバスは○○駅へ行くんですね」と言った。私が「はい」と答えると、運転士が「もう運賃はもらってあるから…」と言った。女性は「すいません、私がそそっかしくて… お世話になります」と言った。私は「なるほど、そういうことか!」と思った。

彼女は「もう、バスに乗ったのは久しぶりで… まだ、運賃が160円だったような…」と言ったので、私も思わず「戦前の話ですか!?」とツッコミを入れてしまった。そのせいかどうか… その後、バスが発車してからも会話は続いた。

その中で、彼女は二度三度と「(バスを乗り間違えたことについて)あ~、もう恥ずかしい」と言ったので、私は「バスの運転士が道を間違えることもあるくらいですから、お客様がバスを乗り間違えてもおかしくありませんよ」と言った。

それに対して、彼女は「運転士さんにそう言ってもらえると気が楽になります。それにしても… バスの運転士さんって、こんなによく喋るんですね」と言ったので、私は「いえいえ、他に一人でもお客様が乗ってこられたら黙って運転しますよ」と言った。

しばらく行くと、××停で二人の乗客が待っていた。私が「××停、止まります」と言うと、彼女は「あ~、残念!」と言って静かに… と思ったのも束の間、発車してすぐに彼女は運転席の横まで来て「△△停って、どのあたりになるんですか?」と質問してきたのである。私は普通に「☆☆まで行かずに… 橋のすぐ手前になります」と答えると、彼女は「そうですか。じゃあ、そこの方が近いかなぁ…」と言いながら席に戻った。

その次のバス停を通過したところで降車ブザーが鳴った。そして、私はいつものように普通に「ご乗車~(後略)~」と言いながらバスを止めて、先程の乗客二人を降ろしてから発車した。すると、彼女が「さすがですねぇ~」と言ったので、私が「ブレーキかな? ハンドル操作かな?」と思っていると… 「ちゃ~んと営業口調になってましたよ。私、笑いをこらえるのに必死でした」と言ったのである。私は「そんなに違っていましたかねぇ?」と言いながら、ただ苦笑いするしかなかった。

それから数分後には△△停に到着して、彼女は「どうもありがとうございました」と言いながら降りて行った… 私はいつも真面目そうな(怖そうな?)顔をして運転しているけれど、他の乗客がいない時に話し掛けられるとついつい… まぁ、たまにはこんな運行があってもいいでしょう!?


慣れと油断か、それとも…

2010年11月17日 14時34分54秒 | バス運転士
朝の通勤時間帯、某ターミナルへ右折して入るために、対向車が途切れるのを待っていた。チラッとターミナルの方を見たところ、2番乗り場の後方で待機しているバスがいた。私は「2番乗り場から出る先発のバスが遅れていて、それを待っているのだろうか?」と思った。


その時、私のすぐ後ろに1番乗り場から出るバスがやって来た。私は「私のバスからあのバスに乗り換える人がいるかも… でも、1番と2番ならば近いから、十分に間に合うだろう」と思ってしまった。


そして対向車が途切れ、私はターミナルに入って2番乗り場へ向かっ… 「ん? 何か変…」と思った私は「あ、ごめんなさい。3番でしたね」と言いながら、ターミナルをもう一周して3番乗り場に着けた。


幸い、そこで降りた人は1番乗り場から出るバスに間に合いそうだったから良かったものの… ちょっと走らせてしまって申し訳ないことをした。転勤から一年を過ぎた最近は“慣れと油断”が少々… えっ!? もともとがボケだろうって? ハハハ…(何も言えない…)


「油断大敵」と言っていたら…

2010年11月16日 20時11分01秒 | バス運転士

行き先が同じでも、経由が違うバス路線を担当する時は何度も確認している。出発する前はもちろん、途中のバス停や信号待ちなどで… 運行カードを見ながら「今回はこっちを走るんだぞ!」と自分に言い聞かせている。

始発地点の某駅で乗って来たお爺さんが「このバスは○○停へ行く?」と言ったので、私は運行カードを見ながら「えぇ、行きますよ」と答えた。さらに「このバスは△△の交差点をまっすぐ行かずに、左へ曲がったところにバス停がありますが…」と答えた。お爺さんは「あぁ、ええよ。ありがとう」と言った。

約20分後、あるバス停を発車しようとしたところで、乗っていたお婆さんが運転席の横までやって来て「このバスは☆☆停へ行きますか?」と言った。私は「はい、行きますよ」と即答した。次のバス停で一人のおばさんが降りて、私は後続車が途切れるのを待ってから発車… と思ったが、その先の信号が赤になっており、バス停のすぐ前まで信号待ちの車で埋まってしまっていた。

が、そこで私は“自分のボケ”に気が付いて、お婆さんに「あ、すいません。私が勘違いしてました。このバスは右へ曲がってしまうので、☆☆停には行かないんですよぉ… 申し訳ございません」と謝罪した。するとお婆さんは「じゃあ、降ろしてもらえる?」と言って降りたのだが… 次のバスを待つことなく、そのまま真っ直ぐ歩いて行ってしまった。確かに☆☆停はすぐ次だから、歩けないことはないんだけど…

始発地点の某駅で聞かれた時には、きちんと確認して返答して… バス停の位置まで話しているのに… また、経由についても、途中で何度も確認していたのに… なぜか、その時は確認せずに「行きますよ」などと言ってしまって… 駄目だ、駄目だ。自分が何かやっている(やろうとしている)時に予想外のことがあると… 本当に気を付けないと…!!!