先日『雪女』を演らせてもらったが、「原文の朗読ですか?」との
お問いかけがあった。原文は英語で書かれており、翻訳されたものだ。
日本語訳もひどい。たとえば、雪女が巳之吉に語ることば。
『私は今ひとりの人のように、あなたをしようかと思った。しかし、
あなたを気の毒だと思わずにはいられない。あなたは若いのだから。
あなたは美少年ね、巳之吉さん、もう私はあなたを害しはしません。
しかし、もしあなたが今夜見た事を誰かに―あなたの母さんにでも
云ったら、私に分ります、そして私、あなたを殺します。覚えて
いらっしゃい、私の云う事を』
最後は
お雪は縫物を投げ捨てて立ち上って巳之吉の坐っている処で、
彼の上に屈んで、彼の顔に向って叫んだ。
『それは私、私、私でした。それは雪でした。そしてその時
あなたが、その事を一言でも云ったら、私はあなたを殺すと
云いました。そこに眠っている子供等がいなかったら、今すぐ
あなたを殺すのでした。でも今あなたは子供等を大事に大事に
なさる方がいい、もし子供等があなたに不平を云うべき理由でも
あったら、私はそれ相当にあなたを扱うつもりだから』……
翻訳は「田部隆次」。明治の翻訳ってこんなものだったのか?
まるでフィリピン女性の会話だ。これでは日本の文学作品とは
言えない。
お問いかけがあった。原文は英語で書かれており、翻訳されたものだ。
日本語訳もひどい。たとえば、雪女が巳之吉に語ることば。
『私は今ひとりの人のように、あなたをしようかと思った。しかし、
あなたを気の毒だと思わずにはいられない。あなたは若いのだから。
あなたは美少年ね、巳之吉さん、もう私はあなたを害しはしません。
しかし、もしあなたが今夜見た事を誰かに―あなたの母さんにでも
云ったら、私に分ります、そして私、あなたを殺します。覚えて
いらっしゃい、私の云う事を』
最後は
お雪は縫物を投げ捨てて立ち上って巳之吉の坐っている処で、
彼の上に屈んで、彼の顔に向って叫んだ。
『それは私、私、私でした。それは雪でした。そしてその時
あなたが、その事を一言でも云ったら、私はあなたを殺すと
云いました。そこに眠っている子供等がいなかったら、今すぐ
あなたを殺すのでした。でも今あなたは子供等を大事に大事に
なさる方がいい、もし子供等があなたに不平を云うべき理由でも
あったら、私はそれ相当にあなたを扱うつもりだから』……
翻訳は「田部隆次」。明治の翻訳ってこんなものだったのか?
まるでフィリピン女性の会話だ。これでは日本の文学作品とは
言えない。