現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

1月8日 1尺8寸に因んで尺八の日

2022-01-09 22:05:04 | 虚無僧日記

 

こむそう部屋⑭ 1月8日は「1尺8寸」に因んで「尺八の日」

一休の詩「龍頭を切断して以来、尺八寸中古今に通ず、吹き出だす無住心の一曲、三千里の外知音絶す」。「龍頭」は「両頭」。竹の前後双方の頭を切って...

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一休の詩「龍頭を切断して以来、尺八寸中古今に通ず、吹き出だす無住心の一曲、三千里の外知音絶す」。「龍頭」は「両頭」。竹の前後双方の頭を切って一尺八寸の尺八は古今東西の真理が見えるよ。吹き出だす「無住心の曲」。「住」は「とどまる」。「無住」とは「とどまらざる心」つまり「こだわりのない心」。その曲は三千里の外で消えていく(三千里の彼方まで伝わる)と。 まさに、私は 尺八を通して、古今東西の幅広い知識を得ることができました。尺八はさまざまな真理を考えさせてくれる道具です。

 


こむそう部屋⑪⑫

2022-01-09 21:59:30 | 虚無僧日記

 

小話11 一路のこむそう部屋 一休作「紫恋慕」

古典本曲の中に「紫恋慕」という曲があります。「一休作」と伝えられていますが、譜面も録音テープもありませんから、せいぜい明治の頃に誰かが作った...

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古典本曲の中に「紫恋慕」という曲があります。「一休作」と伝えられていますが、譜面も録音テープもありませんから、せいぜい明治の頃に誰かが作った曲でしょう。この曲、伝えている人(流派)によって「陰音階」のものと「陽音階」のものがあります。ロツレチハと全音で吹くか、ロッレチハと、ツとチをメリ(半音)で吹くものがあります それで私は「陽」と「陰」を織り交ぜてみました。一休は「明」にも「暗」にもこだわるなと教えているのですから、「陽陰」ごっちゃまぜで、これでいいのだぁ、です。 ところで「紫恋慕」とは、京都紫野にある大徳寺、つまり、その大徳寺の開祖大燈国師を恋い慕うという意味て私は解しています。

 

小話12 一路の虚無僧部屋 虚無僧の元祖は普化?

虚無僧は「普化宗」だと云われています。「普化」は「臨在録」に書かれている僧のことです。人に何を問われても、ただ「明頭来明頭打、暗頭来位頭打」...

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虚無僧は「普化宗」だと云われています。「普化」は「臨在録」に書かれている僧のことです。人に何を問われても、ただ「明頭来明頭打、暗頭来位頭打」といって立ち去った。瘋癲(ふうてん)とか風狂といわれた変わり者の僧行でした。この普化の行動に着目し、普化を真似て「狂雲子」と称したのが一休です。生涯、地位も肩書も求めない生き方を貫いた一休でしたが、81歳の時大徳寺の再建を託しされ、大徳寺の住持に任命されます。その時の就任式に、一休は、普化の偈「明頭来明頭打、暗頭来位頭打」といって、周囲の人をはぐらかします。 これによって、普化を日本に紹介したのが一休でした。虚無僧たちはこの普化に注目し、普化を始祖と仰ぐのです。それで、江戸時代の初めの頃からか、「虚無僧」のことを「普化」を真似た僧「普化僧」とも呼ぶようになりました。 普化には法燈を継ぐ者はいませんでしたから、中国には「普化宗」は存在しません。仏教界でも認知されていません。ただ虚無僧たちが勝手に「普化宗」と云っているだけでした。しかし、戦後、憲法で「信教の自由」が認められて、昭和25年、虚無僧尺八愛好家有志によって京都東福寺の塔頭善慧院に間借りして「宗教法人普化新宗明暗教会」が宗教法人登記されたとのことです。
 
 

こむそう部屋⑨⑩

2022-01-09 21:45:49 | 虚無僧日記

 

小話9

虚無僧の源は、室町時代から戦国時代、一部の浪人が、糊口を得るために尺八を吹いて銭米を乞うた「薦僧」。その薦僧に生きる術を教えたのが一休だった...

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虚無僧の源は、室町時代から戦国時代、一部の浪人が、糊口を得るために尺八を吹いて銭米を乞うた「薦僧」。その薦僧に生きる術を教えたのが一休だったと私は考えます。一休とんち話の「このはし渡るべからず」。ただ「端」と「橋」をかけた言葉遊びではなく、これには深い意味が。つまり「右にも左にも偏らない」「明にも暗にもとらわれない」生き方を説いたものでした。虚無僧は、正に「過去にとらわれない、明日をうれえない」「逆境を嘆かない」喜怒哀楽に一喜一憂しない生き方なのです。

 

小話10 一路のこむそう部屋 一休さんの母の手紙

浪人の一時しのぎの仮の姿が薦僧。その薦僧に生きる力を与えたの一休さん。一休さんも若い頃、将来を悲観して瀬田川に身を投げようとしたことがあった...

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浪人の一時しのぎの仮の姿が薦僧。その薦僧に生きる力を与えたの一休さん。一休さんも若い頃、将来を悲観して瀬田川に身を投げようとしたことがあった。自殺未遂。一休を救ったのは「母からの手紙」。「一休よ、どこぞの寺の住職などにならなくてもいいではないですか。お釈迦様も達磨さんも、経典も寺も無く、ただ自ら修行を積んで悟りを得た。三万巻もあるという経典を諳んじたところで、お前様が人様の役に立たなければ、くそ虫とおなじこと。釈迦も達磨も僕(しもべ)とするような人物になれば、どこぞの寺の住職なぞにならなくてもいいではないですか」というもの。すごいことを云っているのです。正に一休は「地位も肩書も名誉も求めず、墨染めの衣の一托鉢僧としていきたのです。それなのに今はや一休の名は世界中に知れ渡っており、母の予言通り、一休は釈迦も達磨もしのぐ高名な坊さんになったのです。 この話は虚無僧にどれだけ力を与えたことか。私も多いに励まされました。

 

 


こむそう部屋⑦⑧

2022-01-09 21:37:56 | 虚無僧日記

明けましておめでとうございます。令和4年が明けました。コロナ禍でふりまわされた一年。今年はいかがな年になりますでしょうか。何事があっても「平気、平気、気にしない、気にしない、だいじょうぶだァー」の一休さんの生き方。年の初めに聞いていただきましょう。杵屋正邦作曲「吟游」。

小話7 一路のこむそう部屋 ⑦ 1月元旦

明けましておめでとうございます。令和4年が明けました。コロナ禍でふりまわされた一年。今年はいかがな年になりますでしょうか。何事があっても「平...

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小話8 一路のこむそう部屋 正月骸骨

虚無僧は元は浪人の仮の姿。糊口をしのぐための手段。その虚無僧たちに影響を与えたのが一休さん。「一休の小話」に「正月骸骨」というのがあります。...

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虚無僧は元は浪人の仮の姿。糊口をしのぐための手段。その虚無僧たちに影響を与えたのが一休さん。「一休の小話」に「正月骸骨」というのがあります。お正月、皆が「めでたいめでたい」とうかれていると、一休さん骸骨を振りかざして、「門松や冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」と。ひとびとが「よしてください、正月早々縁起でもない」と騒ぐと一休さんたら「なに? 骸骨は目が出ているから目出たい。人、骨になってしまえば皆同じ。男か女かもわからん。やんごとなき姫君か遊女かもわからんではないか。薄皮一枚で美人だのブスだのと比較するのは愚かなことよ」と。虚無僧の教義①「比較をしない」

 


こむそう部屋⑤⑥

2022-01-09 21:31:16 | 虚無僧日記

尺八吹いて60年。尺八についての思いを残しておきたく、このサイトを立ち上げました。

小話5 一路のこむそう部屋 ⑤

尺八吹いて60年。尺八についての思いを残しておきたく、このサイトを立ち上げました。 虚無僧が下げている「偈箱」に書かれている「明暗」の意味。...

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 虚無僧が下げている「偈箱」に書かれている「明暗」の意味。「明も暗も心のうちよ」。 もうひとつの解釈は、「明にあっては明、暗にあっては暗」。葬式や法事にも、結婚式にも呼ばれます。それぞれ 「TPO 時と場と聞いていただく相手」に応じて、吹く曲も吹き方も変えます。流れに逆らわない生き方。それが「虚無僧的生き方」だと私は考えます。

 

小話6 一路のこむそう部屋 ⑥ 2021/12/31 大晦日

尺八吹いて60年。尺八についての思いを残しておきたく、このサイトを立ち上げました。 今日は 令和3年(2021年)12月31日 大晦日。コロ...

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尺八独奏『手向』 Tamuke

尺八 牧原一路 古典本曲「手向」 Ichiro Makihara Tamuke

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