現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

寺田寅彦の尺八観

2020-09-12 21:56:41 | 虚無僧日記

随筆家として知られる寺田寅彦だが、1908年(明治41年)
「尺八の音響学的研究」で 理学博士号を取得している。
「尺八の音響学的特性」を実験的に解明しようとしたものだが、英文で書かれており、内容は あまり知られていない。

寺田寅彦の学位論文の誤りについて」という論文もネットにアップされているが、数式ばかりで、私には 全くチンプンカンプン。


随筆『楽器の名称』では、

「長さが一尺八寸あるいは八分だから尺八だというというのは、いかにももっともらしいが、これには充分疑う余地があるある書に尺八を十二本作ったが 長さがいろいろあると書いてある。正倉院の尺八は一尺一寸以下八種ある

と、昭和の初めに、すでに「1尺8寸だから尺八」という説に 異を唱えている。

唐書には「12律の尺八を作らせた」と云うのだから、「長短12本の尺八を作った」のであって、「1尺8寸だから尺八」という記述は無いのだ。

寺田寅彦が異論を唱えてから80年、「尺八の定説」も ちっとも変わらないとは、情けない。寺田寅彦の説の支持者は 私一人。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。