ある日、ある宗教団体のご婦人が勧誘に来られた。
霊感の強い方で、父と祖父の写真を見て、突然
ハラハラと涙を流された。
理由を尋ねると、「お父様は幸せな方でしたが、
お祖父様は、淋しい方でしたね。供養してあげて
ください」という。
言われてみれば、私は祖父の名前も顔も知らず、
墓参りもせずに過ごしてきていた。
このほど、父がの書き遺してくれた系図で、
私の祖父のことが判った。祖父は「森 治郎」。
明治3年生まれ。牧原春の二度目の婿養子で、
私の父が生まれて1年半後の大正8年に亡くなって
いる。
当家は、代々養子でつながれ、養子を迎えても
すぐ死んでしまうのだ。
森治郎は、なんと、東京で「第15銀行」と
「仁寿生命」に勤めていたことがわかった。
私も千代田生命に就職したが、祖父と同じ道を
辿ったことになる。
森治郎には連れ子がいたので、先妻がいて、
死別したのか、再婚ということになる。
その子は、障害者で、19歳で亡くなっている。
供養してあげるのは私だけ。
親、祖父母、先祖のことを思い敬うことで、
「先祖が自分を見守ってくれている」ということを
実感する。
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