現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

広島原爆に思う

2021-08-13 15:54:31 | Weblog

私の父は、戦争のことを決して語ることは無かったが、父が亡くなって
遺品を整理していて、父が書き残した『従軍記』が見つかった。今それを
私は『牧原五郎-日中戦争従軍記』として、別ブログを開き、書き込んで
いる。ぜひそちらも見ていただきたい。

そこには、中国人への残虐な行為や従軍慰安婦のことまで書かれている。

私は、父の証言だけでなく、日本人が犯した残虐行為を見聞きするにつけ、
この国の人は本当に「和」を愛する民族なのかと疑いたくなる。
日本人は約3百万人が戦争で亡くなったが、それを上回る数の人を殺して
いる。10倍の3千万とも言われる。
何事も裏と表の見方があって、「原爆被害者」と声高に叫ぶ日本人に対して
東南アジア諸国は「原爆で戦争が終結し、一千万人の命が救われた」と思って
いる。久間防衛大臣の「仕方なかった」発言は、ある意味では世界の共通認識
なのだ。ただ「核兵器の根絶」という点では、「しょうがない」は許せない
という理屈は解かる。


政府は従軍慰安婦問題についても、沖縄の集団自決についても、南京虐殺に
ついても、これは軍の責任とか、旧憲法下の日本政府のことで、今の政府は
関係ないなどと、責任逃れしているが、これは日本人全体としての罪だ。
広島の人が、「罪もない人が殺された」と云うのに対して、諸外国の目は
「本当に責任はないのか?」と手厳しい。日本国民一丸となって戦争に加担
していたではないか。それを頬かむりして、責任を一部A級戦犯にだけ
押し付けて、自分たちも被害者のように装うのは如何かと思える。

私の親戚には、東条英機に逆らって投獄され、拷問の末、割腹自殺した中野
正剛がいる。また硫黄島で戦死したバロン西も遠い親戚に当たるらしい。
サイパンで玉砕した人もいる。戦争の愚かさを思う時、「憲法9状」を守る
のは当然のことと思うのだが、改憲を唱える理由はどうしても理解できない。
イラク戦争もますます泥沼化して死者は増えるばかり。あのヴェトナム戦争
は一体なんだったのか。武力で平和は勝ち得ないことは証明済みだ。


虚無僧で、天竜川沿いの村々を回ったとき、「殉国の家」という札が、あち
こちの家に掲げてあるのを見た。夫を父を息子を、働き手を失って、遺族は
どんな思いで戦後を過ごしてきたのか。涙にかすみながら、深い鎮魂の思い
を込めて「手向け」を奏する。今年も暑い夏。また虚無僧の旅に出る。


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