広島を旅した時、知り合った岡弘子様から詩が送られてきました。
虚無僧
人や車の往来の激しい橋の上に
虚無僧が一人佇んでいた
風に吹きちぎられた尺八の調べに
知らず知らず招き寄せられたのは
好んで尺八を吹いていた父のことを
思い出したからであろうか
轟音を上げて通り過ぎるダンプカーの振動が
まっさかさまに私を 奈落へ突き落とそうとしたとき
澄み渡る音色は あたかも父の腕(かいな)のように
危うく私を抱きとっていた
来世に跨る橋に立って
無明の闇路を辿るものたちを
慈しむように奏でる九孔の尺八
はていずこより来たりて
いずこへ立ち去ろうとするのか
時空をさすらい歩いて
ふと辿りついた橋は
折りしも落下しきりの
桜の季節であった
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