月刊誌『自遊人』の H23年1月号に、「お茶の特集」として、
『二条城内風俗図』が掲載されている。松本市にある「(財)日本浮世絵博物館」が所蔵する6曲屏風絵。
「慶長期の二条城内の図」らしいが、風呂や茶を楽しむ人、縁側で酒を酌み交わす人、鼓に合わせて舞に興ずる者、そして、庭では、三味線と尺八に合わせて、20人ほどの人が踊り狂っている。三味線は一丁だが、尺八は二人。その長さが長短違う。絵師は長短を正確に描いたのか、長さは気にせず描いたのかは不明だが、一管は明らかに長い。1尺8寸か、それ以上2尺位ある。
踊りの様子から見て、結構テンポの早い、メロディックな
曲と思われる。尺八は、室町時代は1尺3寸ほどの短い
もので、田楽舞のような中世歌謡を吹く楽器だったのが、
江戸時代半ば以降、虚無僧たちによって、次第に長くなり、
ノーリズムのゆったりした本曲になったと、私は考えている
が、この「風俗図」は、すでに慶長期に、長い尺八があり、
短管と二重奏で合奏していたことを示す。
狂言の『楽阿弥』は、「長短の尺八で吹き合わせる」とあり、
それを裏付けるような絵である。
月刊誌『自遊人』は、「自分の人生を積極的に楽しむ人のための情報誌」とか。ネットで注文できる。 「感動・本物・癒しをテーマに、旅、食、空間、モノ等、“楽しそうなこと”を提案する」雑誌だそうだ。
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