ある大会社の社長が、カラオケで好んで歌うのは『船頭小唄(別名:昭和枯れススキ)』だという。
企業戦士としてトップまで上り詰めた人でも「心の底」に「どうせ咲かない枯れススキ」があるのだ。「それが、自分を支える生きるチカラになった」とも。
この歌は、1921年(大正10)野口雨情が作詞、中山晋平が作曲した。雨情39歳。
それまでの雨情は貧乏のどん底。この歌に最後の望みをかけたが、「こんな暗い歌は流行らないだろう」と誰もが思った。
翌年「昭和枯れすすき」では暗すぎるというので、「船頭小唄」として売り出された。その後 関東大震災が起こり、家財を失った人々の心情を映して、大ヒットした。
そして、この歌は明仁上皇もお気に入りの曲とか。