SF作家であり『天地明察』で脚光を浴びた
「沖方丁」が「ものの数え方」について書いている。
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子どもたちから 新鮮なものの見方を味わうことが
しばしばである。子供は質問が多い。
「なんで動物は一匹二匹っていうの?一個じゃダメなの?」
「馬は一頭、魚は一尾、鳥は一羽、なんでそう言うの?」。
「なんでだろうね」
「食べた後、飾るからかなぁ」
「尻尾や羽を?」
「うん」
意表を突かれた。
確かに「頭」も「尾」も「羽」も、食べ残る部分。
死んだ後も残る部分だ。蟹は一杯、二杯。「杯」は
蟹の甲羅のことでもある。蹄(ひづめ)のある馬は
「一蹄(てい)」と数えることもあった。
では人は?
ふと、考えた。命を終えてなお残るものは・・・・。
「名」だ。「一名、二名・・・・」。
人だけの数え方だ。そう気づき、まだ幼い子供にも
胸を突かれる思いを味わされたのだった。
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な~るほど。モノの数え方は、三味線なら「棹(さお)」
箪笥も「棹」、琴は「面(めん)」、尺八は「管(かん)」
まったく日本語はたいへん。
でも生き物の数え方が、“死して残るもの”とは
すばらしい着眼。「沖方丁」の感性には感心する。
いや、この場合は 彼の子供か、おそるべし。
ついでに、こんな「小話」を聞いたことがある。
漁師が「烏賊(イカ)一杯 買ってくれ」と泣きついてくる。
「なんだ一杯くらい買ってやろう。一杯いくらだ?」
「百万円」
「?????」
そう「イカ一匹」は「一杯」と数える。船も「一艘
=一杯」と数える。「イカ一匹」と思ったのが「船
一艘分」だったのだ。それこそ「いっぱい」、いや
「失敗」だ。
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