中国では、フカひれも蜂蜜も偽物とか。口に入れるものだけにいただけない。
ところが、日本も偽物王国。その技術は「ニセモノ魂」と絶賛されているとか。
たとえば「金箔(きんぱく)」もどきの「真鍮(しんちゅう)箔」。
金箔といえば、加賀だが、その金沢市内で「真鍮箔」を作る
店が2軒。その2軒で 全国の「真鍮箔」の 100%を占める。
「金箔」同様、銅と亜鉛の合金「真鍮」を叩いて、厚さ一万分の
三ミリほどにするのだが、その技術は「金箔」と違って、
おいそれと真似できない。「真鍮箔」を打てる職人は もう
10年もすれば居なくなるとのこと。
「真鍮箔」は、見た目は「金箔」と同じ。職人でも区別できない。
それで、値段は金箔の五~十分の1だから、廉価な土産物に
使われる。しかし、数年で酸化して変色してしまう。硝酸を
かければ溶けるので、それで見破られる。
「金」かと思って買ったら、そのうち変色して「真鍮」だった
という苦い経験は私もある。安いと「金」のはずはないと
誰でも判断できるはずなのだが・・・・。
は最近話題の「偽装食材」もすごいことに。
100円均一の回転寿司で出されるネタは、みな“まがいもの”だそうだ。
「車えび」が「ブラックタイガー」、「芝えび」が「バナメイエビ」
だとか。でも、「見た目も味も変わらないなら いいじゃないか」
と私は思ってしまう。
さらに、極めつけは「合成肉」。オーストラリア産の硬い肉が
「インジェクション」と呼ばれる機械によって、極上の「霜降り」に
化ける。その技術は半世紀も前からあり、ハムの製造などに広く
使われてきたそうだ。ホテルなどで、そのままの肉を出すと、
お年寄りなど「硬くて食べられない」という苦情になる。ならば、
やわらかく、味も良い肉に仕上げて出したいというのが 料理人の
思いだ。
私も近年、ホテルやレストランで出される肉が、やわらかく、
ナイフで切らなくとも箸で崩れる。変だなとは思っていた。
しかし、それで、おいしく、しかも安く食べれたのだから
いいじゃんと思うのは 私だけか?。
「偽もの」をより「本物らしく」見せる涙ぐましい努力。
中国のそれは いただけないが、日本人の「ニセモノ魂」には
なぜか共感してしまう。
ついでに駅弁の「鱒(ます)寿司」は「シャケ」だそうだ。
もともと「鱒」も「鮭」も同種とか。
「鴨なんばん」は「鴨」の肉ではなく「鶏肉」。
刀の柄(つか)に巻かれる「鮫(サメ)皮」は、実は「エイの皮」とか。
でも、ちっとも問題になってはいない。