おぢのニセコ山暮らし

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強力な冷却設備「緊急炉心冷却装置」を、なぜ起動しなかった???

2016年04月08日 | Weblog

 

午前5時の気温はプラス2度。

デッキが湿ってますから、小雨でも降ったのでしょう。

曇り空で、あたりは霧に覆われておる。

予報によると、きょう午前中のご当地、こんな天気らしいですわ。

さて、

今朝のNHKニュースによると、福島第一原発では、汚染水をためるために設けられた地下の貯水槽で、地下水の放射性物質の濃度が1週間で100倍近く急上昇したという。

この貯水槽は現在使われていないものだという。

「地下水の放射性物質の濃度は汚染水の1000分の1ほどで、東京電力は濃度が急上昇した原因は分からないとしています」とニュースは伝えておる。

だけど、地下水の放射性濃度が1週間で100倍ってなんじゃらほい。

汚染水が漏れ出した可能性も含め調査するという。

なんだかなぁ???

この福島第一原発については、

「福島第一原発 メルトダウンまでの50年」の著者・烏賀陽弘道さんのインタビュー記事が「ダイヤモンドオンライン」に掲載されておってまことに興味深い。

「なぜ津波到達までに緊急炉心冷却装置は起動されなかったのか」と題したインタビュー記事だ。

フクシマの事故原因が、そもそもなんだったのかを取材したもの。

これによると、「原発には、大事故の際に大量の水を入れて燃料棒を強制的に冷やす『緊急炉心冷却装置』という強力な設備があり、まずそれを動かすことが世界のルールになっています」という。

東北各地を襲った大震災が起きて、津波が福島第一原発を襲うまでに約50分の時間があった。

この間に、世界のルールというから、いわば世界常識となっている前出「緊急炉心冷却装置」を稼働すれば、今回の大事故は防げたというのです。

しかし、東電はこの緊急冷却装置を稼働しなかった。

動かしたのは別のモノ。

緊急冷却装置ではなく、この10分の1の能力しかない「非常用復水器」と「原子炉隔離時冷却系装置」を動かした。

そうこうしているうちに全電源が喪失、そもそも強力な冷却装置である緊急炉心冷却装置が動かすことができなくなったのだそうな。

なんでそんなことになるのか?

その理由にたいしたビックリした。

「実は、日本の電力業界内では『電源喪失は30分以内に収まると考えてよい』というルールの変更がなされていたのです」という。

そんなことをなんでしちゃったのかというと、

「『原発では事故は絶対に起こらない』という“安全神話”の中で、緊急炉心冷却装置を動かせば、『大事故だ!』と反原発派は勢いづきますし、原子炉を水浸しにすれば、原発の寿命が縮まります。電力会社には『それは避けたい』という経済的な動機がありました」そうな。

つまり、大事故だ!! となれば反原発の動きが強まるわけで、電力会社にとってたいした都合の悪い理由がひとつ。

さらに、原子炉を水浸しにすれば寿命が縮まるという経済的な理由がもうひとつ。

この2つの理由によって、緊急炉心冷却装置は稼働しなかったというのです。

緊急炉心冷却装置さえ使っておれば、メルトダウンもなく、放射性物質を世界中にばら撒くこともなかったわけだけど、、、

これが「原発のメカニズムに詳しい技術者たちが『人災だ』と指摘している点なのです」と烏賀さんは指摘しておる。

このインタビュー記事の(下)で書いておりますが、この烏賀さん「原発否定論者ではない」そうな。

「福島第一原発 メルトダウンまでの50年」読んでみようかしらん!!