おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

「情けは人のためならず」その2

2019年02月17日 | Weblog

午前7時の気温はマイナス5度。

ドンドン寒さが緩んできております。

お天気は晴れですが、ちらちら雪も降っている。

2月14日現在のご当地倶知安町の積雪深度は191センチだ。

なんだかんだいいつつ、例年より少しばかり多いようだ。

少雪とか言ってましたけど、ちゃんと帳尻が合ってきた豪雪の里ニセコでござる。

そんなおとといのこと、

ご近所のSさんの奥さんの妹さんという、何度かお目にかかったことのある方が突然我が家にやってきた。

「外人さんの車がはまっちゃって、姉のご主人も留守なので、手を貸して…」と助けを呼びに来たのです。

ご近所Sさんは何町歩もの山林を持ち、敷地内には1キロ以上の長さの道路があり、川まで流れておる。

この私道で、外人さんの車がはまったというのです。

おぢは除雪機を出し、ハニーさんはパンチャーというスコップと、スタック脱出用の鉄製ラダーを持って現場へ。

狭い道路の路肩で、大型のバンがスタックしておった。

聞けば、ドライバーはイギリス人、もう15年ほどご当地に住んでおるそうで、流ちょうな日本語を話す。

とにもかくにも、除雪機で雪を跳ね飛ばし、なんとか脱出を試みた。

ですが、今年は路面がザクザクして柔らかい。

どうやら1週間以上も続いたマイナス10度を超える寒さで、雪が締まっていないためのようなのだ。

タイヤが空回りするたびに、アリ地獄のように、タイヤがずぶずぶ埋まっていくのです。

おぢとイギリス人男性2人に中高年の日本人女性3人がかりで、押したりなんだり、約1時間奮闘しましたが、結局、脱出しては埋まってしまうわけ。

これを何度も繰り返したのでした。

そのうちSさんが帰ってきて、雪を跳ね飛ばすブロア―を取り付けた農業用のトラクターで、道路の雪をしっかり飛ばした。

それから車をけん引して、ようやく難を逃れたのでした。

その途中、その大型バンの燃料がないことに気づき、「ガスを持ってくる」とおぢ。

「ありがとございます、お金払います」と流ちょうな日本語でイギリス人。

わずか1リットルほどしか残っていなかったので、「おカネはいらない」ってことで、現場から300メートルほど離れた我が家へ。

ガソリン缶を持って戻ったらイギリス人「この車、軽油でした」というのだ。

知人の車で知らんかったと詫びておりました。

おぢの疲労感、そん時、いきなり倍増したのでした。

いずれにせよ皆さんの協力で、イギリス人は無事脱出したのでした。

メデタシメデタシ。

ですがきのう、おぢもとうとうやらかした。

軒下に溜まりに溜まった屋根からの落雪を、さすがにもう処理せねばと、除雪機を動かしておったら、軒下の狭いところでスタック。

重さ300キロ超の除雪機が斜めになって、我が家のログに触れんばかり。

ようは片側だけズブズブ埋まるのです。

前日の車と同じで、下が柔らかいアリ地獄なのです。

どうしたもんか、途方に暮れておった。

お隣に滞在中の奄美の方が、仕事から戻って来たので手を借りようと思った。

そしたらカナダの農業用という4輪車を持ってきておって、これにウインチがついてるという。

このウインチを操作すると、狭い危険な場所でしたけど、スイスイ脱出することができたのでした。

いやぁもう、我が家は夫婦して感謝感激したのはいうまでもない。

一時はこのまま放置して、「雪解けまで待とうか?」とまで思っておったのでしたから、嬉しいのなんの。

まさしく「情けは人のためならず」巡り巡って自分に還って来るのだと、しみじみいたしました。

ご近所は、仲良く協力しあって生活すのがよろしいようで…

日韓両政府には、情け溢れる田舎暮らしの爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい、きのうのおぢでござった。