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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

磯の貝達15

2009年11月04日 | 植物
黒潮の上昇ににより、ここ最近急に水温が上がってきています。
高い時には25℃近くも水温があり、11月とは思えない位です。
水温の高さは、生物の育成には重要な役割を占めます。
水温が高ければ、早く成長が出来たり、産卵のペースにも変化が見られる位です。

と言っても良い事ばかりでもありません。
海水温が高いと台風の勢力が衰えずに大島まで来てしまいます。
先月来た台風18号の影響は、つい最近まで海中に残っていました。

前にも書きましたが、台風で動く水のパワーは物凄く
軽自動車位の岩は引っくり返します。
引っくり返った岩を観察していると、始めに必ずフジツボ類が付き始めます。
フジツボを代表する固着動物が付くと次にカキ類が付き始めます。
そんな、カキ類の仲間が今日のネタでもあるケガキです。

カキと名が付きますが、よく食べるカキとは比べ物にならない位小さいです。
1つの大きさは4~5cm、表面に黒いパイプ状の棘を持ちます。

大島の岩場の潮間帯は場所に寄っては垂直に立ち上がった壁になっている場所もあります。
その言った場所を覗くと、帯状にフジツボやケガキが分布していて
満潮時何処まで水面が来るかが分かるのです。
このケガキ類が付く事により、壁の表面をより複雑な形に変え
他の動物が棲み込める環境を作るのです。
海藻が生え、その上にヒドロ虫が付き、ヨコエビ等の小型の甲殻類が棲めるのです。
実はこのケガキ本体の中にもクロピンノと呼ばれるカニの仲間が棲み込みます。
こう考えると、水中の環境には全く無駄な場所なんてありません。
そこには、食う食われるの関係から、助け合う共生関係まで様々な関わり方があるのです。

ケガキは小さな貝ですが、結構美味しく食べられるようです。
大島では食べているという話は聞いた事ないですけど。。。

一見、地味で注目されない貝ですが、重要な役割を担っているんですね。
コメント
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