グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

秋の名わき役たち

2009年11月10日 | 植物
 なんだか暖かい日が続いている伊豆大島ですが、一時期夜になるとよく聞こえていたゴイサギの声が聞かれなくなり、夜空からはビンズイやツグミ類の声が降ってくるようになりました。うるさいくらい鳴いていたアオマツムシやスズムシの声は聞こえなくなりましたが、クサヒバリやマツムシはまだ頑張っています。
 
 そのうち夜の森を飛び回るキクガシラコウモリも冬眠に入っていつのまにか姿を見なくなり、たくさん居たオオミズナギドリが海から姿を消します。するとその頃にはコアホウドリが現れたり、大型カモメ類が越冬にやってきたりして、いよいよ冬の到来です。

 家から遠くまで行かなくても、近所で自然の生き物を通して季節の移り変わりを感じることが出来るのが伊豆大島のいいところでもあります。

 そう、今日はあまりにも身近にあってあまり注目されませんが、どこにでもあるけれど、これを見ると「ああ、この季節が来たなぁ。」…と思える秋の名わき役たちをご紹介しましょう。

 ちなみにトップの画像は10月23日にもガイド・鴻池のブログで紹介されているハチジョウアキノキリンソウで、伊豆諸島の準固有種とされていますので、これは主役級です。(^▽^;)

 今日はこれが主役ではなく(ぢゃあトップにすんなよ…(^▽^;))このあとの植物たちにご注目…してください…。

イガアザミ。

伊豆大島ではちょっとした林道や都道の周辺にも咲いています。トゲが痛いです。
本当はもっと早い時期から咲いていて、もうしばらく咲き続けます。とは言ってもこれも本州に広く分布するナンブアザミの変種だそうで、伊豆諸島や関東南部地域の準固有種なのだそうです。

次はツワブキ。

これも福島県より南に自生しているすごい普通種で海岸から山地までどこにでもあり、「フキ」とともに食べる地方も多いですが、人によっては親戚である「フキ」よりもおいしくない、ということで無視されたりしているちょっとかわいそうな植物です。私はツワブキを頂いて食べたことがありますが美味しかったですよ。そのへんは好きずきなんでしょう(^▽^;)

しかし、そんな普通種のエース「ツワブキ」も秋には目が覚めるような黄色い花を咲かせます。実は私は結構この花が好きなんですよ~。
同じことを思う人はやはりいるらしくわざわざお庭に植えていらっしゃる方も居るっぽいです。

さらにものすごい勢いでその勢力を伸ばしつつあるのがこれ↓

ノコンギク。
これも秋とはいっても8月くらいから咲いてますが、とにかくどこにでも生えていて、林道から都道から人んちの庭から海岸沿いの荒地まで大島ではほぼ全域でコンスタントに見られるという普通種の中でもスーパースター級です。

でもこんな感じで一面に咲いているとちょっとステキじゃありません?


以前、私はこのブログで「普通種はえらい!」っていう内容の文章を書きました。
普通種が普通種である所以はこの厳しい自然界の生存競争に打ち勝って繁栄しているというところにあるのだと思うからです。
そんな普通種たちが織り成す四季折々のメッセージに耳を傾け、目を凝らしてみてはどうでしょう?

当たり前のようにそこにあるものって我々人間にとっては視界に入っていても認識されないものだったりします。
今日でも明日でも、ちょっと窓から覗いただけでも季節を感じられる命がそこにあるかもしれません。今まで気付いていなかったものに気付いた時って、きっとなんだか得した気分になるもんですよ。

(あまの)
コメント
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