グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

秋の色の中で

2009年11月26日 | 植物
今日は来週のツアーの下見で三原山を歩いてきました。
通常私達が7時間かけて歩くコースを、半分の3時間半で歩かなければならないので、
どうペース配分すればお客様に一番楽しんでもらえるのか自分で実感したかったのです。

午後1時半に山頂口から歩き始め、立ち止まらずに歩いたら、30分ちょっとで山頂についてしまいました。
あれれ?こんな距離だったのですね!
ただ歩くだけだと、いつもの3分の1の時間で歩けてしまうことがわかりました!

そのままのペースで温泉ホテルへ抜けるコースを降りたのですが、ただ歩くだけだと何だか物足りません。
「これじゃーチョット淋しいな~。」なんて思いながらあたりをキョロキョロしていたら、とても綺麗なピンク色が目につきました。

マユミの実です。
葉も紅葉していて、その場所だけホンワカした暖かい色が集まっていました。
実が弾ける前も弾けた後も、可愛いですよね!


道沿いには虫に食べられ穴だらけになった、緑色のマユミの葉が目立ちました。
「何でこんなにボロボロなんだろ?」そう思ってのぞきこんだら、いました!
以前この日記に登場したミノウスバのメスです。

オスはお尻に毛があってハデな感じでしたけど、メスはあまり目立ちません。ひっそりと葉の裏に隠れていました。
写真には卵も写っていました。ミノウスバのメスは自分の体毛を卵につけて保護するといいます。
そういえばやや毛深い卵のような?

すぐそばにも、もう1匹発見!今年はミノウスバが多くてマユミの葉がボロボロなのかもしれませんね。

オオモミジも紅葉していました。
紅葉する木が少ない大島では数少ない華やかな葉です。

緑、黄色、オレンジ、赤、さまざまな色を楽しんでいたら、足元にも真っ赤な葉が這っていました。

メギの葉が紅葉していたのです。
こんなに地を這うような高さなのに、かなりハッキリした派手な朱色で、とても目立っていました。


いや~、秋の色を堪能しました。
「なんだか和んだな~。」なんて楽しい気分になっていたら、すっかりいつものペースになっていることに気づきました!
当然ものすごいペースダウン。
早く歩くには、かなり冷静でいないと難しそうですね~(笑)。

ところで、今日の最初の写真は、幹を切られて残った株から自分の体を再生させていたイヌツゲです。
いつ切られた木なのでしょうか?
これから寒い冬に向かうというのに、何本もの若い枝が一斉に、スクスク成長していました。
初々しい緑の葉は深い緑の森に、紅葉と同じぐらいの明るさを添えていました。

イヌツゲの生命力はすごいです。
この生命力があるからこそ度重なる噴火で灰やスコリアをかぶっても、繁殖していけるのですね。

冬の前に葉を落とし、エネルギーを節約して寒さを乗り越えようとする木、寒さの中でこれから伸びていこうとするたくましい木、
虫に食べられてちょっと困っているような木…変化する森の姿は本当に面白く、興味が尽きません。

(カナ)
コメント
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