グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ヒロバネカンタン

2009年11月24日 | 
 だんだんと冬の足音が大きくなってきました。先日の願法の日記にも書かれていますが、ツグミやホオジロの仲間達がどんどん島に入ってきています。

 そうして鳥の気配がにぎやかになっていく一方、虫たちの気配は少しずつ消えて行っています。もちろんすべてが死んでしまうわけではありませんが、落ち葉や樹皮の隙間や、土の中でそっと気配を消して春を待つものも多いのです。

少し前の日記でもちょこっと書いたマツムシの声も、もう聞こえなくなりました。今は彼らの残した卵がひっそりと春を待っていることでしょう。

しかしまだまだ頑張っているコオロギの仲間達も居ます。
今日ご紹介するヒロバネカンタンもその一つ。

声の美しさから「鳴く虫の女王」(鳴くのは♂なんだけど)と呼ばれている「カンタン」はよく知られていますが、見た目もそっくりなこのヒロバネカンタンのことはあまり知られていないようです。ヒロバネカンタンは本州(青森県以南)、四国、九州、種子島、それに南西諸島にも生息し、国外では朝鮮半島でも分布が確認されているようです。
 
 また、少し前までこの虫は「タイワンカンタン」という名前で知られていたそうです。
 「カンタン」は「ルルルルルル…」と美しい声で鳴きますが、ヒロバネカンタンは「ルー・ルー・ルー」と一声ごとに区切って鳴きます。

私は伊豆大島にカンタンが生息しているのか少し調べていたのですが、鳴き声を覚えてしまうと意外とこのヒロバネ君が人家周辺などにも結構生息していることがわかりました。



彼らが恋の歌を歌い終わるのも間もなくですが、寒空に響く彼らの歌にしばし耳を傾けてみるのも一興ですよ。

(あまの)
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