「黒船桜」は、樹齢150年余になる古木だが、小高い丘の上にある墓地の中に植えられていて、樹高は10mほどでも枝張りが大きいので、それ以上に大きく見える立派な枝垂れ桜である。見る位置や角度によっては、まるで違う桜のように樹形が大きく異なって見える印象的な桜だ。
「黒船桜」は、樹齢150年余になる古木だが、小高い丘の上にある墓地の中に植えられていて、樹高は10mほどでも枝張りが大きいので、それ以上に大きく見える立派な枝垂れ桜である。見る位置や角度によっては、まるで違う桜のように樹形が大きく異なって見える印象的な桜だ。
“墓地内立入禁止”という立て札がいくつも出ているのに、それを無視して他人の墓地に勝手に入り込み、堂々と写真を撮っているモラルに欠けるカメラマンがいるのは残念なことだ。立て札がなくても墓地には無断で入るべきではないのだが、マナーを守れない人が多いと、いずれ地元の人たちの厚意が受けられないようになってしまうかもしれない。
国道153号の阿智川大橋を渡って256号に入ると、昼神トンネルの先に長野県下伊那郡清内路村がある。国道沿いの清内路小学校の川向いに立っている「黒船桜」は、江戸時代の嘉永六年(1853年)の黒船来航に因んで植えられたと言い伝えられており、「黒船桜」という名前の由来となったそうだ。樹形の立派な幹周り3mの枝垂れ桜で、清内路村のシンボルであり、村の天然記念物に指定されている。
「御所桜」がある場所から少し離れた川沿いに、高さ1mほどの小さな塚があり、その脇に樹齢350年と言われる桜の老木がある。これが、“もう一つ”の「御所桜」で、どうも本来の「御所桜」らしい。この老木は、幹周りは太いが樹高は低く、幹や枝はかなり朽ちて、今にも枯れて倒れそうな見窄らしい姿をしている。勝手な想像だが、樹齢250年という“若い”方の「御所桜」は、後になって、この“古い”方の「御所桜」から若芽を移植した桜かもしれないと思っている。こちらの「御所桜」は僅かに蕾が綻ろんでおり、1分咲きくらいであった。
下伊那郡阿智村浪合(旧浪合村)で国道153号から長野県道243号に入り、少し行った御所平という所に「御所桜」がある。樹齢250年のエドヒガンサクラである。南北朝時代には、この「御所桜」が立っている場所に、後醍醐天皇の孫である尹良親王(ゆきよししんのう)の御座所があったと言い伝えられており、それがこの桜の名前の由来となっているそうだ。
この写真を撮ったのは4日前の19日だが、「御所桜」は標高1000mにあるため、桜の開花も遅く、この時には残念ながらまだ蕾であった。見頃は4月末あたりであろうか。