
施療を始める前に、
何について取り組むのかを決めなければなりません。
今までに、
①自分の望む方向とは別の方向に働いている気持ちに注目する。
②他人を変えるのではなく自分を変える目標であること。
③ゴール目標ではなく取り組み目標であること。
と書かせて頂きましたが、
その他にも大事な点が後二つほどあります。
今回は、その一つ、
取り組み目標が現実的なもの、
別の言い方をすると【自分の力が及ぶもの】となっているかどうかです。
例えば、
「宝くじに当たる。」
「試験に受かる。」
「頭が良くなる。」
「歌手で成功する。」
「漫画家で成功する。」
「素晴らしいアイディアが湯水のように湧いてくる。」
「大会で優勝する。」
「有名人になる。」
「事故にあわない。」
「事件に巻き込まれない。」
「ずっと健康でいられる。」
「夫(妻)、彼氏(彼女)の気持ちが自分からずっと離れない。」
「あの人に(みんなに)自分のことを好きになってもらう。」
「あの人に(みんなに)嫌われない。」
「失敗をしない。」
「良い仲間に巡り合える。」
「やったらすぐに成果が欲しい。」
「何もせずとも成功したい。幸運を引き寄せる力が欲しい。」
「今の自分が不幸なのは社会の所為だ。」等々。
一見、これらの中には自分の力が及ぶものであるように思えるものが
ありますが、そのためには何が必要なのかが欠けています。
今までの相談者の中には、
「催眠で宝くじに当たるようにして欲しい。」
「催眠で頭を良くして欲しい。」
「催眠で英語をスラスラと分かるようにして欲しい。」
「催眠で、幸運に生きれるようにしてもらいたい。」
と言うような相談を頂いたことが有ります。
当然、このような相談をそのまま受け取って催眠で、
「あなたは宝くじを当てることが出来ます。」とか、
「あなたは毎日どんどん頭が良くなります。」とか、
「あなたは英語の理解力がどんどんと高くなります。」とか、
「あなたに幸運が訪れて素晴らしい人生を送ることが出来ます。」
と、やるはずもなく、
この下にある真の問題に取り組まなければ、
少しの間だけ良い気分になれることはあっても、
現実は何も変わらず何の解決にもなりません。
ただ、その方が想像を絶するほど強く思い込める人であった場合、
催眠で上のような取り組みをすることで、
それ以降、一生涯にわたって
あ~俺は今はこうだけれども
「その内に宝くじが当たるんだ。」とか、
「あ~これで頭が良くなっていくんだ。」とか、
「英語が出来るようになるんだ。」とか、
「あ~幸運ばっかりだ。」と思い込めた場合、
現実はどうであれ、毎日気分よく過ごせるはずですから、
それはそれで一つの解決だと言えるのかもしれません。
しかし、そこまで思い込める人は稀、いや皆無でしょうし、
仮に、そこまで思い込める人であったとしても
その思い込みの能力によって別の問題が発生する可能性がありますから、
やはり、真の問題について話し合うことが大切であると考えます。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計