催眠誘導で被験者に
十分な催眠体験をしてもらうために、
そして、
催眠誘導を成功させるための
基本パターンがあります。
このことは、
催眠誘導だけではなく心理療法、営業活動、
一般の会話においても
共通する基本のパターンです。
①注目 ②集中 ③同調 ④誘導 ⑤確認
①注目
被験者に良い催眠体験をしてもらうためには、
まずは催眠に興味を持ってもらうこと。
どんなに優れた商品であろうと、
どんなに優れた人物であろうと、
興味を持ってもらえないと
何も始めることが出来ません。
催眠体験に興味がない人を
催眠状態に導くことは
不可能なことではありませんが、
それには天才的な誘導技術(コミュニケーション能力)が
必要となります。
私の催眠誘導技術、能力もそのような域に
全く達していないことを自覚しているので
催眠誘導を行う前段階において、
催眠体験への興味と同意を得られるよう
勉めています。
②集中
誘導者の言葉や非言語、被験者が得る感覚、
被験者に起きる反応等に
被験者の興味、同意が維持されること。
これは、催眠誘導の初期段階だけでなく
被験者の催眠体験中にも
意識が散漫にならないように
絶えず働きかける必要があります。
③同調
誘導者と被験者との歩調を合わせます。
誘導者が働きかける言葉や非言語を
被験者がどの程度受け取ってくれているか、
『背中に当てた私の手に気持ちを向けて下さい。』
『そうです。そのように気持ちを向けた時、
背中で何を感じでいますか。』
(イエスかノーでは答えられない働きかけ)
「手の温度を感じます。」
『手の温度を感じるんですね。』
『背中に気持ちを向けると、
私の手の温度を感じますよね。』
(イエスかノーで堪えられる働きかけ)
「はい。」
他には、
『2つか3つ、気持ち良いと思える呼吸をして、
気持ち良いと感じたら、静かに目を閉じましょう。』
何て言う言葉がけ等もその一つです。
④誘導
被験者の催眠反応への準備が整ったら
躊躇なく誘導を行います。
これを怠りタイミングがずれてしまうと
上手くいくものも上手くいかなくなります。
お好み焼きを
ひっくり返すタイミングが遅くなると
焦げ焦げになって台無しになりますし、
逆に早すぎると柔らかすぎて
綺麗に返すことが出来なくなるのと
同じような感じでしょうか。
⑤確認
誘導の結果を確認します。
被験者の中には誘導者に恥をかかせたくないと
誘導者を気遣って反応をしたフリをしたり、
被験者が反応しようとし過ぎて、
自分の意思で反応動作を行うことがあります。
そのような気遣いや頑張りは、
催眠の疑似体験であって
真の催眠体験ではありませんし、
真の催眠体験の障害となります。
また、被験者が催眠体験をしているのにも関わらず、
被験者が催眠体験をしていることに
気が付かない場合もあります。
「起き上がろうとすれば、起き上がれた。」
だけど起き上がってしまうと。。。
「腕を曲げようとすれば曲げることが出来た。」
だけど腕を曲げてしまうと。。。
被験者が、3の力で起き上がろうとすると
被験者の無意識は、5の力で阻もうとします。
被験者が、6の力で起き上がろうとすれば、
被験者の無意識は、8の力で阻もうとします。
無意識は、誘導者の働きかけに同意した反応を
達成すれば良いのですから、
被験者が1の力で起き上がろうとする時には、
10の力で阻止する必要はありません。
誘導者が被験者の反応を把握することは
それ以降の誘導を上手く進めるために
大切なことになりますし、
被験者に催眠体験をしていることを
自覚してもらうことも
それ以降の誘導を上手く進めるために
大切なことになります。