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「ふるさと納税」と団塊世代のセカンドライフ

2007-05-11 22:38:46 | アラカルト
しばらく前から「ふるさと納税」という言葉が、新聞に登場している。
その「ふるさと納税」に対して、石原東京都知事が「ナンセンス」と言っているらしい。
自分が生まれ育ったふるさとに税金の一部を納税することで、都市部に集中している税収を分配しようという考えらしい。
過疎化によって税収が減りつづけている地方の財政基盤をサポートし、「地方格差解消」が狙いらしい。
石原さんが、「ナンセンス」というのは当然だろう。
東京こそ、地方出身者の集まった大都市だからだ。
特に「団塊の世代」と呼ばれる人たちの多くは、集団就職で東京にやってきた「東京都民」。
地方が都市に労働力を供給し、それによって様々なモノ・コトが都市に集中し、巨大化していく原動力(?)となったのだ。
その人たちの納税によって、東京は地方税収入一人勝ち状態になってもいるのだから。

その「団塊の世代」が、今年から退職期に入った。
田舎暮らしのセカンドライフを取り上げる、テレビ番組などもある。
実際、このようなセカンドライフをしてみたいと思う人たちは、増えているようだ。
ところが、この「田舎暮らしのセカンドライフ」に問題が起きはじめているらしい。

「田舎暮らしのセカンドライフ」で人気があるのは、沖縄などの温暖で過ごしやすく地域や自然が豊かな地域。
今、問題になっているのは「住民票を移さない、田舎暮らし者」だ。
住民税と言うのは、住民票のあるところが対象となっている。
「住民票を移さない」ということは、生活拠点は田舎にあるのに、納税はかつて住んでいた都会と言うことになる。
納税対象者人口は増えても、税収は増えないと言うことになってしまう。
地方の行政サービスとして、このような人たちに対して制限をするわけにはいかない。
地方財政が緊迫しても、この「住民票を移さない田舎暮らし者」には、納税を請求するわけにはいかないのだ。
地方税だけではなく、健康保険料などにも関わってくる問題でもあるのだ。

「ふるさと納税」も地域格差を解消する方法かも知れないが、「住民票を移さない田舎暮らし者」にも何らかの税負担を考える必要があるのではないだろうか?
地方に移住することで、消費が増えると言う単純な問題ではなさそうなのだから。