一昨日に続き、朝日新聞のWebサイトに、マーケティングに携わる者であれば、知っている内容の記事があった。
朝日新聞:CMはただの宣伝道具ではない フジ問題で考える広告の社会的役割
マーケティングというよりも日本の企業の場合「広報部」の中に「宣伝」担当が設置されていることが多いと思う。
ただ、マーケティングの基本である「4つのP]の中の一つが「Promotion」なので、当然のことながらマーケティングを担当するのであれば「広告の基礎」となる知識などを持つ必要がある。
「広告」と言っても。その媒体の種類は多いのだが、テレビCMは制作費用だけではなく、テレビで流す時間帯や回数などによって、社会的認知度を上げる絶好の媒体だと考えてもよいだろう。
いくらテレビCMからYoutubeのような動画サイトへのCM出稿量が多くなっても、未だに社会的影響はテレビの方が大きいのでは?と、考えている。
それが、フジテレビの一件で、70社を超える企業がテレビCMを取りやめた。
CMを取りやめた企業の中には、単独スポンサーとして長い間番組を支えていた企業もあり、番組そのものの存続問題にもなっている。
上述した通り、企業にとって不特定多数の生活者に、商品やサービス、企業イメージを伝える手段として、テレビCMは魅力的であったはずだ。
にもかかわらず、70社を超える企業がテレビCMを取りやめる、ということは、制作費などを含め相当の痛手となったはずなのだ。
にもかかわらず、フジテレビからCMを取り下げることが、企業や商品・サービスに対するイメージダウンを最小限にすることができる、という判断をしたのだと思う。
それだけではなく、実はテレビCMには「啓発活動」という側面も持っている。
例えば、自動車のCMを見ていると、シートベルトを後部座席に乗車している人までしている。
あるいは、小さなお子さんが登場するCMでは、チャイルドシートが設置されている場面が、必ず入っている。
多くを語らずとも、自動車に乗る時、小さなお子さんにはチャイルドシート、後部座席に座る人もシートベルトを締めましょう、ということを表現しているのだ。
他にも、複数の人物が登場するCMでは、性別、肌の色などを考慮したバランスで出演させる傾向が強まっている。
これは人権などに配慮している、ということを示しているのだ。
企業CMが流せない時に流れるACの広告のような「啓発広告」ではないが、企業が商品やサービスを社会に提供するにあたり、商売だけではなく、社会に必要な情報も一緒に伝わるような工夫をして製作するのがテレビCMでもあるのだ。
理由は、テレビCMの社会的影響力の強さだ。
シンプルにわかりやすく、不特定多数に伝えるツールとしてのテレビCMの強さは、このような場面で実感することができる。
何かと邪魔者扱いされがちなテレビCMだが、視点を変えてみると、様々な社会的メッセージが含まれていることに、気づかされると思う。
最新の画像[もっと見る]