郷土の味と名物

新聞各紙に「郷土料理百選」と言う記事が掲載されている。

詳しい内容は、農水省の「郷土料理百選と人気料理選」(注意：PDFファイル)ＨＰにアップされている。　
このようなコンテスト(と言うのだろうか？)を、農水省が行っていたとは知らなかった。
「地産地消」促進のために企画されたコンテストなのだろうか、有名な「郷土料理」もあるが、地元以外の人には余り知られていない「郷土料理」も並んでいる。
このような「料理」こそ、その土地に行かなくてはその美味しさを実感できないモノだろう。

この調査でもう一つ感じたことは、「郷土料理よりも親しまれている人気料理」がある、ということだ。
例えば、大阪の「たこ焼き」や広島の「お好み焼き」などは、リストアップされている「郷土料理」よりも「郷土料理」のように親しまれてきている「地元の味」だろう。
おかしなもので、同じお好み焼きでも広島で食べるお好み焼きと、名古屋で食べる「広島風お好み焼き」は、同じようでいて違うような気がする。
当然美味しいと感じるのは、広島で食べるお好み焼きだ。
お取り寄せで本場の食材お料理したとしても、やはりどこか違う。

このような記事が掲載された今日の朝日新聞のＷＥＢサイトに、【埼玉】ＩＣ来春開設の川島町　郷土料理で町おこしと言う記事があった。
県単位の「郷土料理」だけではなく、地域の「郷土料理」と言うモノもあるだろう。
そんな「郷土料理を食べ歩く旅」と言うモノがあっても、良いかもしれない。
そのキッカケとして、今回の「郷土料理百選と人気料理」を上手に活用することができるのではないだろうか？
地域経済を活性化する一つの方法として「郷土料理」は、地味な存在かもしれないが「飽食の時代」だからこそ、地味でも地に足がついた「郷土料理や地元の人気料理」は魅力的な気がするのだ。
なぜなら、長い間親しまれてきた味というものは、ミシュランガイドには載らない「生活の中の美味しさ」があると思うからだ。
日常の食に「ハレ」を求める傾向が強くなるコトで、ごく当たり前の「ケ(＝日常)」の食が忘れ去られている。
でも今本当に必要な食は、「ケ(＝日常)の当たり前」なモノ・コトのような気がするからだ。