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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

イノベーションを起こすのは誰?

2009-03-13 16:27:53 | ビジネス
日経新聞・東海版にブラザー、大画面の電子ペーパー 6月発売、業務用市場を開拓と言う記事が掲載されている。
確か、朝日新聞などでも掲載されていたと思う。

「電子ペーパー」だが、数年前からテレビCMなどで見られるようになった。
富士通の電子ペーパーは、既にJR東日本と共同で車内の吊り下げ広告として、実用化に向けた試作を開始し始めているようだ。
ブラザーの場合、「メンテナンスや修理作業従事におけるマニュアル」と言うことを考えているようだが、果たしてそのような需要はあるのだろうか?

もちろん、富士通が開発した「電子ペーパー」と今回ブラザーが開発した「電子ペーパー」とでは、それぞれの商品特性があり同じ使い方が一番良いとはいえないだろう。
むしろ、違う商品特性がある同一種類の商品があることによって、その市場は大きく成長する可能性を秘めている。

「電子ペーパー」のようなコレまで市場になかった商品は、私たちの生活を変える「イノベーション」を持っている。
PCが登場した時も、インターネットが登場した時も同様なコトが言われた。
特にインターネットの普及は、ここ十数年の間で生活そのものを一新させてしまったほどだろう。
しかし、PFドラッガーは著書の中で一番のイノベーションは、紙と印刷だと書いている。
紙の登場によって「記録するコト」が可能となり、印刷によって「記録したモノ(=本)が広く読まれるようになり」、それが「教育」へと発展したと言うのが、その理由だ。

では、新しい「紙」である「電子ペーパー」は、どのような「イノベーション」を私たちに与えてくれるのだろうか?
既に「電子カルテ」として商品化されているようなのだが、もう一歩進めた「パーソナル電子健康手帳」のようなモノは出来ないだろうか?
「ファミリードクター=かかりつけ病院」がある場合は、あまり問題がないと思うのだが、転勤族のような世帯や、何かと言えば大学病院がベストと考えている人にとっては、自分の病歴を管理してくれる病院を持っていないのではないだろうか?
すなわち、「アチラコチラの病院に、自分のカルテが断片的に存在している」と言う人は、案外多いのではないか?と考えるのだ。
そのような人たちにとって、一番必要なのは「統合されたカルテ」なのではないだろうか?
それに、毎年実施される「健康診断」のデータも加われば、より良いのでは?と、考えるのだ。
と言っても、まだまだ高額な商品と言うことを考えれば、「将来は・・・」と言う期待程度なのだが。

そのように考えると「イノベーション」を起こし・創り出していくのは、技術ではなく、その使い方なのではないだろうか?
そこに、ビジネスチャンスもあるのではないだろうか?