日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

体質が古いのは、巨人だけではない

2011-11-19 20:25:16 | アラカルト
現在進行形で行われている、プロ野球「日本シリーズ」。
例年であれば、大手をかけたホークスか?追い上げるドラゴンズか?と、スポーツ新聞をはじめ、一般紙のスポーツ頁でも話題になっているはずだが、今年は違う。
ご存知の「讀賣巨人軍の清武代表VS讀賣新聞+清武代表以外役員」という、話題のほうがスポーツの話題の中心となってしまった感がある。

しかし考えてみれば、「日本シリーズ」というプロ野球界にとって一番話題となる試合を展開し、なおかつ先日行われたドラフトで入団する選手たちの話題もあるはずなのに、一球団の「お家騒動」のほうが話題になってしまう、というのはどこかおかしな話だと思う。
「それほど、讀賣巨人軍というのは影響力がある」というコトなのだと思うのだが、本当にそうなのだろうか?

10年以上前なら、シーズン中「閑古鳥が鳴く」のが当たり前だったパリーグのチームは、ここ2,3年で見違えるような集客をするようになってきた。
選手にしても、とても魅力的で実力のある選手たちも多く、「閑古鳥が鳴いていた」時代からは想像もつかないほどの状況になっている。
そんなパリーグのファンからすれば、今回の「讀賣巨人軍のお家騒動」など、興味の欠片も無いはずだ。

にもかかわらず、新聞やテレビなどで大きく取り上げるのは、新聞やテレビといったメディアが、いまだ「讀賣巨人軍幻想」のようなものを持っているからなのではないだろうか?
それを象徴するかの様な記事が、某スポーツ新聞の記事にあった。
記事全体は、「清武VS讀賣巨人軍球団」というモノで、何か凄いスクープ記事となっているわけではない。
ただ、その記事の最後は「この問題で、球界が混乱することは避けられない」という内容で、締めくくられていたのだ。

かつてのように「讀賣巨人軍」が、日本のプロ野球の顔であり、対巨人戦の試合中継が高視聴率を誇っていた時代であれば、そのような文を見て「そうかも知れない」と、思うかも知れない。
残念なことに今は、対巨人戦の試合中継でも高視聴率が取れるわけでもなく、パリーグのように地元密着型のチームが人気の中心となりつつある現在では、かつての「日本プロ野球の顔・讀賣巨人軍」も、日本のプロ野球球団の一つでしかないのだ。
今回の件は、讀賣巨人軍は混乱するだろうが、その他球団にはまったく影響は無いだろう。
それを今でも、一昔のような感覚の記事を掲載してしまう、という新聞やテレビそのものも、讀賣巨人軍同様、体質的な古さがあるのでは?

新聞やテレビが、メディアの中心では無くなりつつある今だからこそ、そのことに気づく必要があるのでは?