日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

体脂肪計タニタの食堂事業

2011-11-21 18:52:47 | ビジネス
新聞のWEBサイトをチェックしていたら、体重計などの製造メーカー・タニタが東京丸の内にレストランを出店するという記事があった。
タニタ プレスリリース 2012年1月「タニタ丸の内食堂」を開業(注意:pdfファイル)

ご存知のようにタニタという企業は、体重計や体脂肪計、活動計など「計る」モノを作っている企業だ。
そのタニタが食堂という飲食事業を展開する、というのはやや意外な感じがする方もいらっしゃるかも知れない。
しかし、昨年「体脂肪計タニタの社員食堂」というレシピ本を出して、話題になり、「社員食堂のレシピ本」のさきがけとなった。
その後「女子栄養大学の学食レシピ本」なども発売され、いわゆるタレントさんや料理研究家ではない、「栄養学からみた料理本」の火付け役ともいえる。
そのため、ダイエット目的の女性だけではなく、メタボが気になるご主人のために購入された方も多かったのではないだろうか?
今年は、その続編も発刊されどちらも大ヒットレシピ本となっている。

そのような経過を知ると、決して今回の飲食事業(厳密に言うと「食堂事業」か)は、とっぴな分野への進出ではない、というコトがわかる。
何より現在のタニタは「健康を計る企業」という、コンセプトを持っているコトを考えると、自然な流れのような気がする。
バブルの頃の、企業の基本企業とは無関係と思われる事業への参入とは、まったく違う視点だ。

そしてこの「食堂」を展開する前に、タニタはローソンの1都6県で「タニタのお弁当」を10月に売り出している。
そしてこちらも、大ヒットしたようだ。
確かに、生活の楽しみとして「食事」というのは、案外重要なポイントとなっているはずだ。
お昼休みになると、「お昼はどこで食べようか?」と考える人も多いだろうし、愛妻弁当のみならず、自分でお弁当を作る人も「食べるときのコト」を考え、作っている人も多いのではないだろうか?
もちろん「夕べの残りをつめて来た」という方も、少なからずいらっしゃるとは思う(実は、私がこの「残り物派」だった)。
最近では、「キャラ弁」という新しい「お弁当分野」も登場してきた。
それほど人にとって「食べる」という行為は、健康のためだけではない要素が高い。
だからこそ、健康に良いものをおいしく楽しく食べたい、という気持ちが強いのだとおもう。
それを「(健康を)計る」という視点で、事業を展開するタニタ。

もしかしたら、自社の事業コンセプトを見直すと、これまでと違った事業分野が見つかるかも知れない。
そんなことも考えさせる、タニタの食堂事業だ。

蛇足ながら、個人的に今後注目したいのは「ダイエットチェッカー」の製品化だ。