この時期になると様々なメディアが組むのが、「今年亡くなられた方への追悼特集」。
振り返ってみると、今年ほど大物と呼ばれた方が亡くなられた年もなかったのでは?という気がしている。
洋楽では、1月のお正月気分がやっと抜けたかな?という頃に入った訃報が、デビット・ボウイの死去だった。
そのデビット・ボウイの死去から程なく入ってきたのが、グレン・フライの訃報だった。
グレン・フライと言っても、思い浮かぶ人はあまり多くはなかったかもしれないが、イーグルスのリーダーと言えば、分かってくださる方も多いのではないだろうか?
イーグルスというバンドのスタートは、カントリー音楽とウエストコースト・サウンドを合わせ、リンダロンシタットのバックバンド兼オープニングアクトバンドだったが、「ならず者」や「呪われた夜」で、「暗い」部分を引き出すことで、ウエストコーストサウンドに深みを与えたように思う。
その集大成となったのが「ホテルカルフォルニア」だったという気がしている。
その後は、ブラックミュージックにブラスサウンドを取り入れた、Earth・Wind・and・Fireのリーダー・モーリス・ホワイト。夏には、様々な様々なジャンルの音楽を取り入れ、独特の世界観を創り出したプリンスが亡くなっている。
他にも、ELPのメンバー二人が亡くなり、デビット・ボウイと同じ時代を生き、「プログレッシブ・ロック」と呼ばれた、クラシック音楽とロックという異質の音楽性を融合させ、芸術性の高いステージでも「ロック」という音楽の
進化を感じさせるグループだった。
日本国内でも、三笠宮様がご崩御され、ラジオからテレビ時代へと移り変わった昭和という時代のメディアの中心にいた永六輔さんや大橋巨泉さんなどが亡くなられた。
そう考えると、メディアがラジオからテレビへと移り変わっていった「昭和」や「20世紀」という時代をけん引した人達が、多く亡くなられた1年だったような気がする。
これも、時代が大きく変わりつつあることを示すことなのかもしれない。
でも、今年(だけではないが)亡くなられた方々が残された様々なモノの価値は、変わることなく訴えかける力がある。
今年の終わりに、ぜひ見ていただきたいCMがある。
サントリーのBOSSのCMだ。
今年亡くなられた、永六輔さん、蜷川幸雄さん、大橋巨泉さんが起用されている。
起用されているだけではなく、彼らが残したメッセージは若者だけではなく、「昭和」という時代を知っている世代へのエールのようでもある。
サントリー BOSS:昭和編
今年1年ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。