12月に入り、「今年のヒット総括」のような話題が、出るようになってきた。
その中でも話題になっているのは、アニメ映画「君の名は。」だろう。
興行収益を見ただけでも、これまでの「アニメ映画ヒット作=ジブリ作品」という、ランキングの上位に入っている。
「ジブリ作品でなくては、アニメ映画はヒットしない」という、アニメ映画の慣例(?)を打ち破った作品でもある。
「君の名は。」は、作品の良さや主題歌の大ヒットしたが、最初からシネコンなどでの上映が決まっていたため、集客がしやすかった、ということも言われている。
その一方で、11月に単館上映としてスタートしたアニメ映画が、注目され話題になっている。
「この世界の片隅に」だ。
公式HP:この世界の片隅に
原作は、漫画家こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」に続く、作品で前作同様「広島・戦争」という重いテーマ。
だからだろう、製作費などの資金調達が、うまくいかなかったという話もある。
資金調達のために選んだ方法が、「クラウドファンディング」だった。
そして、クラウドファンディングの参加募集が始まると、瞬く間に目標金額に達した、という作品でもある。
こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」も「この世界の片隅に」も、マンガ雑誌に掲載され好評を博していた作品だったと聞くが、マンガファンだけがクラウドファンディングに参加した訳ではないようだ。
製作のスタートが「クラウドファンディング」であったこともあり、シネコンのような大型施設での上映はかなわず、単館上映でのスタートとなったようだが、公開後は次々と上映館が増え「君の名は。」に迫る勢いとなっている。
作品そのものの評価も高く、海外上映の話も来ているようなのだが、やはり資金面では厳しいようで、「海外上映のためのクラウドファンディング」の募集を、以前Facebookで見たことがある。
その後の募集を見かけないので、早々に目標金額に到達したのだろう。
この「世界の片隅に」の成功を考えると、今年は「クラウドファンディング元年」と言えるのかもしれない。
しかし、成功させるためにはテーマや趣旨、目的などを明確に伝え「共感」を呼ぶ必要がある。
そして「見たい映画」を「作りたい映画参加」に変化した年になったのかもしれない。