先週ごろから、「新型コロナ」の変異株が再び世界に広がりつつある、というニュースが出ていた。
「これまでの変異株とは違っているのでは?」とWHOなども、戦々恐々としているようだ。
毎日新聞:オミクロン株でWHO、世界規模リスク「とても高い」と警告
今回のオミクロン株とそれ以前の変異株との大きな違いは、「オミクロン株がどのように変異したのか?」ということがまだ分からないからだ。
それ以前の変異株は、比較的早い段階で「変異の内容(というのだろうか?)」が判明したため、「ワクチン接種が2回済んでいれば、感染をしても軽度で済む」というような情報を発信することができた。
この「情報発信」というのが、とても重要で、「何がどう変異したのか?」という専門的なことよりも、生活者に大きな安心感を与えた。
その上で、マスクの着用や手洗いの徹底など、以前と変わらない生活をし続けたことで、諸外国に比べると日本は「感染の収束に向かっているのでは?」という位の感染者数、重症者数、死亡者数になってきた。
そこへ新しい変異株の登場で、再び社会が不安になりつつある。
そんな時、今日岸田総理は海外からの入国禁止を発表した。
毎日新聞:入国禁止「当面1ヵ月」オミクロン株 日本人も隔離や自宅待機
「新型コロナ」の流行が確認された時の安倍元総理や、感染拡大の収束が数字として表れる前に「Go Toキャンペーン」を開始した菅前総理に比べ、動きが早かった。
前回、前々回の総理の「失敗の轍は踏まない」という、意識があったのかもしれない。
何故なら、安倍さんも菅さんも「新型コロナ」対策の初期対応に失敗をし、国民から批難の声が上がったからだ。
歴史を振り返ってみると、実は良い先例がこの日本にあったのだ。
和楽Web:23万人の検疫を2か月で実現!迅速な感染症対策に震災復興。今必要なのは「後藤新平」だ
時代が今とは違うとはいえ、当時の日本の人口を考えると、23万人の検疫というのは相当大規模なものであっただろう、と想像することはできる。
それを2か月という短期間で実施するにあたっては、反対する人達も多かったのではないだろうか?
そのような反対を押し切ってまで実施することができたのは、後藤新平が医師であったということが大きいはずだ。
だが、今は後藤新平という良いお手本があるのだ。
この時の検疫方法に今の社会事情に合わせ、(日本が誇る)スーパーコンピューター「富岳」を活用し、シミュレーションを行い、それを基に新たな政策を立てていくという方向性を発信すれば、再び「ロックアウトという状況になるのでは?」と懸念されている諸外国とは違う結果を、導きだす事ができるのではないだろうか?
「新型コロナ」に関する「富岳」の活用については、「ウレタンマスクと不織布マスクによる飛沫シミュレーション」などが公開されているが、「富岳」の力をもっと活用し公益性をPRするのであれば、このような「ロックアウトを回避する」ためのシミュレーションなどではないだろうか?
それによって、生活者が得られる安心は大きいと思うし、安倍元総理や菅前総理の時よりも好意的で協力的になるのでは?と考えるのだ。