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テレワークか週休3日出勤か 働き方の多様性

2022-01-14 18:14:18 | ライフスタイル

年明け「新しい働き方」の提案が2つの企業からされた。
一つは、パナソニックの週休3日制。
もう一つは、Yahoo!Japan の「飛行機出勤OK」という勤務。
Huffpost:パナソニック、選択的週休3日制の導入を目指すと表明。給与はどうなる?注目集まる
Huffpost:「飛行機出勤OK」Yahoo!のテレワーク制度から考えた、オフィスを離れて働くということ 

報道向けの発表としては、注目を浴びやすい「働く場所はどこでもOK。通勤手段もなんでもあり」という表現をしているが、「飛行機出勤OK」というのは、現実的な感じがしないので、主にテレワークで仕事。時々飛行機などを利用して出勤、ということだろう。
それに対して、パナソニックの「週休3日制」というのは、一見休みが増えるような印象があるが、働く側として「週休3日になれば、当然給与が下がるのでは?」という不安を感じさせる内容になっている。
記事を読んでみても、給与面などに関してはこれから労働組合などと話しを詰める、ということになっているので、アドバルーンを上げ、社会や企業内の様子を見るということのほうが目的なのかもしれない。

ところで、昨年11月に経団連が「テレワークなどを利用した出勤者7割減の見直し」という話を、政府に申し入れた。
朝日新聞:テレワークなどで出勤者7割減「見直すべき」経団連が政府に申し入れ

確かに「新型コロナ感染拡大防止」のために、「テレワークによる出勤者7割減」を申し入れたのは、政府ではあったがその後の状況の変化に応じて個々の企業が出勤者の割合を増やしたり、継続させたりしていたと思っていので、逆に経団連の申し入れには違和感を感じた。
Yahoo!Japan のように、テレワークそのものを継続させたい企業もあるだろうし、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちを雇用している企業は、出勤者7割などということ自体絵空事のような話だったはずだ。
企業そのものが、企業の仕事内容に合わせてテレワークを選ぶなり、出勤者率を上げるなりすればよいだけの話なのだと思う。

Yahoo!Japan のように、テレワークを進めるために大胆な出勤形態を可とする企業は、これから先増えてくるのでは?という気がしている。
なぜなら、居住場所と働く場所が近ければ、それだけ「通勤時間」に時間を割く必要がなくなるだけではなく、企業側にとっては従業員の「通勤費」負担だけではなく、オフィスにかかる費用もまた軽減される、というメリットがあるはずだ。
と同時に、企業側が期待するのは「働く人たち個人個人のスキルアップ投資」がしやすい環境づくり、ということになるのではないだろうか?

それはパナソニックの「週休3日制」の中でも言われている。
これから先、AIが当たり前のようになってくれば、AIではできない仕事を創出していく必要がある。
しかし、企業側も「AIにできない仕事の創出とは何か?」という具体的な方策があるわけではないだろう。
とすれば、働く側に考えてもらい「自主的なAIではできない仕事の創出」をしてもらう、ということも一案なのではないだろうか?
むしろパナソニックは、それを狙っているような気がしている。

パナソニックではないが、昨年の「コロナ禍」の中で、副業禁止を謳ってきた上場企業が次々と「副業可」となってきたのも、昇給の問題もあるが、ほかにも「社外を知ることで、社内に還元する」という期待もあったのでは?と、考えている。

働き方の多様性が進むと、企業よりも働く側のほうが様々な負担を強いられる可能性が高いような気がする。
それは「これまでのような企業に頼った働き方」ではなく、「自分の仕事を創出する」という、日本人の苦手なことを強いることなのようにも思えるし、それができる人達がこれから先求められる人材となるような気がしている。