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基準がわからない「まん延防止等重点措置」

2022-01-27 20:24:53 | アラカルト

連日「新型コロナ・オミクロン株」の新規感染者数が、記録更新をしている。
ありがたくない「記録更新」だが、この新規感染者数に対して各自治体が対応策として発するのが、「まん延防止等重点措置(通称:まんぼう)」だ。
各自治体が対応策として発するといっても、最終的には国が決めることになっているのだが、新規感染者数が以前から多かった東京などは今月21日から対象としているのに対して、同じように新規感染者が多い(という印象のある)大阪が、今日からとなっている。
同じく今日から対象地域となった自治体の中には、島根県も含まれている。

確かに、島根県はデルタ株が流行した時もその前も感染予防対策を県全体で徹底することで、感染者数が極端に少なかった。
それが「オミクロン株」の流行では、爆発的な感染者数となってしまった。
ただ、新規感染者数という「感染者」という数字だけで見れば、大阪とはけた違いの感染者数であることには、変わりない。
であれば、なぜ「まん延防止等重点措置」地域となったのか?ということなのだ。

あくまでも想像だが、島根県が「まん延防止等重点措置」を申し出た理由は、「人口に対して感染者数が多い」ということがあったのでは?という気がしている。
島根県(や鳥取県)は、全国でも人口の少なさでは1位、2位を争う県だ。
その人口に対して感染者数の割合が多いとなれば、当然何等かの対応をせざる得ない、ということはよくわかる。
疑問なのは、人口比率に対して新規感染者数の割合が明確に示されているのか?という、点なのだ。

国が行ってきた「新型コロナ対策」に対して、行き当たりばったりという印象を持っている。
幸いなことに(といっては、先に感染拡大した諸外国に対して失礼だが)、日本は諸外国に比べ変異株を含め感染拡大のタイムラグがあり、その間に諸外国で起きている状況などの情報が得やすい環境にある、といえる。
オミクロン株が最初に流行した南アフリカや英国の状況から、おおよその「拡大期間→収束期間」ということがわかるだろうし、その拡大期間の中で、特徴的な変化、例えば大人よりも子供の感染者が急増している、とか鼻や気道部分での炎症がみられ、肺などへのダメージは少ないなどから、重症者の減少がみられるなどの分析情報が、得られたのでは?ということなのだ。

それらの情報から総合的に判断したとき、感染者数を対人口比で考え、その上で「まん延防止等重点措置」の目安を国が出すべきなのでは?と思ったのだ。
自治体の任せるところは任せるにしても、感染症収束のための道筋となるものを示すのは、国の役割のなのでは?
そのような動きが無いまま、「専門家」といわれる人たちが、様々なテレビ番組に出演し話をする、ということ自体、社会的不安を煽る結果になっているような気がしてならない。
情報には「生活者が知りたいもの」、「国が知ってほしいもの」「国民のだれもが知らなくてはならないもの」がある、と思う。
その目安となる情報は、本当に発信されているのだろうか?

テレビの情報番組で、専門家といわれる方々が様々なご自身の意見を述べることは悪いことではないと思う。
思うのだが、それが生活者の不安となっているのであれば、専門家といわれる人も国もメディアも考える必要があるのでは?
なぜなら、生活者の今の気持ちは「安心をしたい」ということなのだから。