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池田大作氏の訃報は、政治の転換期となるかもしれない

2023-11-19 21:02:39 | アラカルト

昨日、創価学会の名誉会長・池田大作氏の訃報が報じられた。
宗教とは無関係であるはずの中国でさえ、池田氏の訃報を伝えている。
それほど、一宗教団体の会長の死というモノは、大きく重大なニュースであった、ということだろう。

創価学会と言えば、公明党の支持母体である。
創価学会から発表されている学会員数と現在与党である、ということを考えれば、公明党の国会議員はもっと多くてもよいはずだ。
しかしながら、公明党の国会議員は多いとは言えない。
何故なら、全国の選挙区で立候補をしていないからだ。
その代わり、「選挙協力」という名で、自民党の立候補者を支援している、というのは既にご承知の通りだろう。

そもそも「政教分離」という考えの日本の政治にあって、公明党という政党は「いびつな政党」と言わざる得ない。
何故なら、上述した通り「建て前としての政教分離となっているが、実態は宗教団体が持っている政党」ということが、世間の周知となっているからだ。
そして、創価学会の中でもこのような選挙活動に熱心なのは、「婦人部」と呼ばれる学会組織だ。
実際私も、乳がんの経過検診の為に訪れた総合病院で、「次の選挙は、公明党の〇〇さんと自民党の✕✕さんにお願いします」と、品のよいご婦人から声を掛けられ、「はぁ~」と返事をしたことがある。
丁度、選挙期間であったということもあるのだが、まさか病院の休憩テーブルでのんびりコンビニで購入したお茶を飲んでいる時に、このような声がけをされるとは、想像していなかった。
その活動力には、驚いた、というのがその時の感想だった。

この、創価学会の政界進出を強く推し進めていたのが、昨日亡くなられた池田大作氏だったのだ。
ここ20年ほど、表舞台に姿を見せていなかったような印象を持っているのだが、その影響力は強大だったのではないだろうか?
その表れが、自民党総裁である岸田首相の池田氏の訃報に対するメッセージだ。
そこには、「選挙協力」で自民党候補者が選挙に当選をすることができた、という感謝の意もあったのではないだろうか?
その創価学会という組織の中でも強大な力を保持し続けていた池田氏の訃報は、今後の「選挙協力」にも影響が出てくるのでは?と、想像できる。

勿論、池田氏の影響力はある一定期間続くと思われるが、「創価学会=池田大作」ととらえてきた学会員にとって、その象徴であり信仰の支えとなってきた人物の死去は、創価学会という組織自体に何等かの影響を及ぼすと考えるのが自然だろうし、今後の選挙協力についても、変化していく可能性はある。

また、昨年の故安倍元首相の狙撃事件以来、世間では「宗教と政治」、「宗教と金による政治の関係」ということに、厳しい目が向けられている。
それを与党にいることで、上手にかわしてきたのもまた、公明党であり創価学会だったのだ。
その関係が崩れるようなコトになると、これまで「選挙協力」という名で創価学会票を得ていた自民党の国会議員は、これまでの大票田を失う、ということを意味している。

細田元衆議院議長の死去から、さほど日にちを置かずに宗教家・池田大作氏の訃報は、日本の政治家が苦手としてきた「政治家としてのビジョンを語る(「騙る」かもしれないが)」という発信力の重要性を示すことになるのではないだろうか?
むしろ、そのような「特定の支援組織やお金に頼らない政治」への転換期となって欲しいと、考えている。