日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

SNSで文章力を鍛える

2023-11-27 20:01:28 | 仕事のコツ

今やある程度の規模の企業であれば、SNSを活用していない企業はないのでは?と、想像している。
その中でも「X(旧ツイッター)」は、手軽な広告ツールとして活用している企業は多いと思っている。
他にもLINEやInstagram等のSNSを同時に活用している、という企業がほとんどかもしれない。
理由は、広告代理店に依頼してテレビCMを制作するよりも遥かに安価で、自分たちで作ることが可能だからだ。
勿論、動画等になると、プロのモデルさんや背景に溶け込むように流されるBGMの使用権等については、広告代理店の方が、様々なコネがあるとはいえ、制作費等はバカにならない。
そこで活用するのがSNSという訳だ。

X(旧ツイッター)等を活用し、自社の情報発信をしている企業の多くは、商品写真等を中心に1行程度の文章にまとめている、という企業が多いと思う。
そのような広告を見ながら、「もったいないな~」という気がしたのだ。

ご存じのようにX(旧ツイッター)は、全角140文字の投稿ができる。
この140文字という文字数は、実際に書くとなると案外ボリュームがあるような印象を持たれるのでは?
その一方で、「140文字ではとてもではないが、書ききれない」という広報担当の方もいらっしゃるのでは?と、想像している。
実はこの140文字という文字数は、絶妙な文字数なのでは?ということに最近気づいたのだ。
それは「広告としてのキャッチコピーとキャッチコピーの付属となる文字数」として考えた時、「文章をまとめる力」を身に着けるのには、丁度良い文字数なのだ。
キャッチコピー等は、一目で人の気持ちや関心を惹く為に印象に強く残る言葉を選ぶ必要がある。
しかし、それだけでは受け手となる生活者には「何を言っているのかわからない」ということに、陥りやすい。
印象強いキャッチコピーでも、何を訴えたいのかわからない、というのであれば、コピーとしては失敗作だろう。
そこで必要となるのは、短くも長くもない、90文字程度の訴求文章ということになる。

この「訴求文章」が、実はとても難しい。
「自分の伝えたいこと」ではなく、「生活者に伝わる為の文章」だからだ。
上述したように、その為には長くても・短くても「伝わらない」のだ。

最近、「文章を読むのが苦手。文章は極力読みたくない」という言葉を、耳にすることが多くなってきた(ように感じる)。
何となくだが、「文章を読むのが好き」な人と、「文章を読みたくない人」との二極化が進んできているのかもしれない。
そのような中で、印象が強く残るキャッチコピーだけでは、伝えたい意味を勘違いしてしまう人も出てくる可能性が高い。
だからと言って、長々とした文章は読んではもらえない。
その為の文章力が、今求められているのでは?ということなのだ。

そう考えた時、X(旧ツイッター)のように文字数制限があるSNSは、その文章力を鍛えるツールともなりえるのでは?
勿論、他のSNS等も同様だ。
Instagramのように、写真や動画があるから文章を創らなくてもよい、のではなく。
より写真や動画の魅力を生活者に伝え、興味を持ってもらう為の補助的文章というモノが、必要なのだ。

だからと言って、SNSを使う必要はない。
ただ、「自分がSNSに投稿した時、どのくらいの人たちがこの文章を読み、好感を持ってくれるのか?」ということを考えながら、文章をつくるということが重要なのだ。
SNSを上げた理由は、「炎上しない為の言葉遣い」ということも、書き手として考える必要があるからだ。
「炎上商法」を狙うのであれば関係ないが、多くの広告・広報担当者は「生活者に対する好感度を上げたい」と、考えているはずだ。
だからこそ、「短文で好感度の高い言葉を使い、端的に伝える」というトレーニングが必要なのだ。
その為のトレーニング要素が、SNSにはある、ということなのだ。