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そもそも「偶発債務」って何?

2016-02-26 21:40:57 | ビジネス

昨日の午前中に、「シャープが鴻海の傘下に入る」というニュースが出たばかりだったのに、夜には「鴻海が契約保留」というニュースが伝えられた。
その「保留」の理由が、「偶発債務が、3000億円以上ある」ことがわかったためだった。

「債務」という言葉は、よく耳にする言葉だと思うのだが「偶発債務」という言葉そのものは、あまり聞かないような気がする。
もちろん、会計業務などをやっていらっしゃる方にとっては、よく知っていらっしゃる言葉であり、内容だと思う。
そこで気になって調べてみると、「貸借対照表にその内容、金額が注記される、将来一定の条件の下での債務の可能性となるもの」らしい。
M&A用語:偶発債務とは
ということは、シャープ側は「貸借対照表」に「もしかしたら将来債務になってしまうかもしれないモノが、ありますよ。金額と内容はこうなっていますよ」と、注意書きをしていたということになる。
もし、シャープ側が「貸借対照表」に、このような注記をしていなかったとすれば、会計上大問題だろう。
「貸借対照表」というのは、企業のお金の流れや動きを表にまとめたもので、ここで記帳間違いなどがあれば課税などにも問題が起きてくるからだ。

とすれば、「鴻海」側がこの「偶発債務」を見落とした、ということになるのだろうか?
企業間での買収の話というのは、第三者が知る由もないので、なんともいえるコトではない。
シャープの場合、「鴻海」だけではなく政府系ファンドなども、支援として名乗りを上げていた。
当然、支援をする側は「貸借対照表」は、チェックをしていたはずだ。
その中で、シャープ側にとって一番メリットがあると思われた相手が「鴻海」であった、ということだろう。

今回の「鴻海」の買収劇について、個人投資家の山本一郎さんは「シャープ側が悪いわけではない」と、コラムに書いていらっしゃる。
山本一郎:シャープの「偶発債務」問題は、別にシャープが悪いわけではないですよ
このコラムのとおりだとすると、「鴻海」にとってシャープはとても魅力的な買収相手だったのかもしれない。
それは「お金(=貸借対照表に表れている企業の経営実態)」を無視したくなるほど、だったのだろう。
ところが、慌てて「お財布や預貯金通帳、支払い明細を見てみたら(=貸借対照表)、自分が思っていた以上に借金を抱えていた」ので、「イヤイヤ、待て!」ということになってしまった・・・とも読み取れる。

もしかしたらこの買収の話は、「破談」となるかもしれない。
その時改めて、シャープ自身が「自分たちの事業」を見つめなおし、洗い出しながら再建のパートナーを見つけるコトになることのほうが、シャープにとって良いのでは?という気がしている。
問題は、その時間がシャープにあるのか?という点だ。



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