ネットニュースなどで「小田急線の子ども運賃改定」が、話題になっている。
朝日新聞:子ども運賃一律50円に 小田急電鉄「沿線に長く住んで」
私自身は、東京および東京近郊で生活をしたコトが無いので、今回の小田急電鉄の施策にあれこれという立場ではないかもしれない。
ただ、アイディアとしてとても面白い試みなのでは?という気がしている。
その理由は、鉄道会社として「家族で利用してもらいたい」という考えであれば、それなりの効果があるのでは?と考えるからだ。
自家用車で移動することが当たり前になっている背景には、「家族で出かける時の交通費」という問題がある。
大人2人に子ども2人で鉄道を使って移動するよりも、自家用車で移動したほうがガソリン代と高速代を含めても安い、という理由があると思う。
確かに家族そろってチョッと遠出をするとなると、いくら子ども運賃が大人の半額だからと言っても、それなりの費用が掛かってしまう。
この運賃=移動費の高さが、公共交通機関である鉄道を利用する、というハードルを上げてしまう理由の一つなのでは?
それだけではなく、お子さんが小さいと電車の中でじっと座っていることが中々難しく、じっとしていない子どもに苛立つ大人が嫌な顔をする、ということもあるだろう。
子どもが電車内で騒ぐことを心配する親御さんもいるだろう。
それが電車移動のストレスとなってしまい、利用することに躊躇させる一因となっているのでは?
かつての様に、自家用車そのものがほとんどの家庭に無かった時代は、公共交通機関で移動するしか方法が無かったため、大人は電車内ではしゃぐ子どもの見ても「あ~電車に乗るのが、うれしいんだな~」と、微笑ましく見ていたような気がしている。
もちろん、度を過ぎた騒ぎ方をすれば「静かにしなさい」と注意されることはあったはずだが、そのような経験を通して「色々な人がいる場所では、騒いではいけない」ということを体験してきたような気がする。
今ほど、直情的な言葉遣いや態度を示す人が少ない、のんびりした時代でもあったかもしれないが、子どもの頃から「公共の場での振舞」ということを学ぶ場所でもあったような気がするのだ。
今回の小田急電鉄の子供運賃の引き下げは、「家族で出かける」というきっかけづくりになるのでは?と、思うのだ。
以前から拙ブログに書いているのだが、鉄道会社はもっと積極的に「家族利用」をし易いプランの提案をすべきだと思う。
そうすれば、電車での家族旅行が身近になり、家族そろって顔を合わせて話をしながら出かける楽しさを知ることにもなるし、そのような思い出が積み重なることで、沿線そのものが活気づくとのではないだろうか?
小田急電鉄の狙いは、親から子へ孫へと世代を超えて沿線に住んでもらい、電車を利用してもらいたい、ということもあるようだが、子どもの頃の楽しかった思い出の積み重ねは「小田急電車」というブランドに親しみを持たせ、特別なブランドへと特化する仕掛けでもあるのでは?
それらは国が再び始めようとしている、「Go To Travelキャンペーン」よりも遥かに継続性があり、沿線地域に経済効果をもたらせる可能性があるように感じるのだ。