◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

VTR、マンション、プチセレブ、タレント。

2007-11-04 19:37:00 | 言葉についてあれこれ
                      セレブな感じぃ?
 VTRという言葉について、Video Tape Recorder の略なのに「VTRを見る」はおかしいのではないかというコメントを頂き、同じような例があることを思い出しました。どこのだれが最初に使ったのか、本来の意味とは違う意味ですっかり定着しているアルファベット略語やカタカナ語というのがありますね。「マンション」も、mansion は、豪壮な大邸宅という意味です。もっとも、辞書にはロンドンの分割住宅アパートという記述もありますから、最初にマンションと言った人はそちらをイメージしたのかもしれませんが、庭もプールもないのにマンション? と思う外国人は多いようです。でも、こんなこと今更言ってもしょうがないですよね。「マンション」は日本語です。
 面白いのは「プチセレブ」ですね。セレブリティー(celebrity)は英語で、名声、有名人、名士、プチ(petit)はフランス語で、小さい、小型、子ども、という意味です。これを無理やりくっつけてプチセレブ、ちょっとだけセレブという意味だとすると、「町内では有名で、知らない人はいませんよ」という人物、○○町内限定セレブか? なんてね、「ちょっとだけ上流っぽい」というような意味ですよね、だから、別に有名人でなくてもいいのです。何となくイメージは伝わるのですから、便利ですよね。日本語(外来語? 業界人の造語?)は自由だぁ~!
 知的なところが一切ないのが売りの無芸な「タレント」、意味が矛盾していますね。最近、増えてきていませんか? talent は、才能、特殊技能、才能のある人、人材、芸能人という意味ですからねぇ~。タレント事務所などに所属し、テレビに出てお金を稼ぐ人をタレントと呼ぶならば、無芸でもタレントと呼ぶのはしょうがないですね。ほかに適当な言葉も浮かばないので( ̄‐ ̄;)、タレントと呼ばれる本人がよければ、ま、いいでしょう。
 目新しいカタカナ語を業界の人が使いだし、もともとの意味を知らない一般人にも広がっていく、そして、もともとの意味はあっちに置いてすっかり定着してしまっているからしょうがない、それが分かっている人は、せめて外国人との会話には使わないように注意しよう、ということになるでしょうか。
コメント
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