◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

敬意が消えてしまうテロップ。

2007-11-21 19:47:02 | 言葉についてあれこれ
                      寝ておられます
 話し手が「~しておられました」と言っているのに「~しております」と書いてあるテロップを見ました。「~しております」は単なる丁寧語でしょうか? この言い方に謙遜の気持ちはありませんか? 自分の行為の謙譲語として使いませんか? 話し手が伝えようとしている行為の主語が分からなくなりませんか? テロップの間違いなんぞ日常茶飯事ですが、これは幾ら何でもひどすぎます。
 私は、尊敬語の後に「~おります」と続けるのがしっくり来なくて嫌いなのですが、放送業界では単なる丁寧語として使っている人が多く、「ご出演されております」だの、「いらっしゃっております」だの、こういう言い方を平気でしています。その影響を受けて、入力作業者が「~しております」を謙譲語だとは思っていないとしても、明らかに話し手は敬意を込めて「~しておられました」と言っているのに「~しております」に変えてしまうのはいけませんね、誤解を招きます。
 聞き手のほうは、ぼーっとテロップを見ながら話を聞いていると、話の流れがおかしくなってしまいますよ。私はというと、「~しておられました」は敬意の度合いがやや低いとはいえ、耳から入る情報と目から入る情報が食い違うと感じ、むずむず、むかむかします( ̄д ̄)。
コメント
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