僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

御朱印蒐集~京都 慧日山 東福寺①~

2017-03-02 08:06:28 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 東福寺は京都駅からJRで1駅の位置の京都の西からの玄関口とも言える場所にある臨済宗東福寺派の大本山の寺院です。
臨済宗には15派の本山があるとされており、東福寺は京都五山の第4位に格付けされた寺院とされています。

京都五山や鎌倉五山と呼ばれる五山制度は、北条氏によって中国に宋の国が栄えた時代に寺格を定める制度を鎌倉時代に取り入れたとされ、室町幕府将軍・足利義満によって「鎌倉五山」「京都五山」として改革が行われたとされています。
京都五山は上位から天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺(東福寺の塔頭)で、鎌倉五山を含めた最上位に別格として南禅寺が格付けられています。
東福寺の塔頭である万寿寺を除けば、全て臨済宗各派の総本山となる寺院が選ばれています。



東福寺の創建は、鎌倉時代の1255年。時の関白・藤原(九條)道家が東大寺の「東」と興福寺の「福」の2文字をとって九條家の菩提寺として造営したとされています。
その後1319年・1334年・1336年と相次ぐ火災に見舞われ焼失してしまいましたが、最初の焼失の4ヶ月後には復興に着手し、1347年には前関白・一條経通により仏殿の上棟(棟上げ)が行われて再建されたそうです。

往時の仏殿には15mの高さを誇る本尊の釈迦仏像、左右には7.5mの観音菩薩像・弥勒菩薩像が祀られ、新大仏寺」と呼ばれていたそうですので、寺号をもらった奈良の東大寺に匹敵するような大寺院だったのだろうと考えられます。
しかしその仏殿は1881年に焼失してしまったとのことですから、非常に惜しまれる事故であったといえます。



東福寺の巨大な三門は、室町時代初期に再建され、現存最古最大とされる三門で国宝に指定されています。
前方にある思遠池には蓮がありましたから、蓮の花の咲く季節の三門はさぞや趣のある風景になるのだろうと想像が出来ますね。
東福寺の三門は、「日本三大門」とか「京都三大門」など呼び分けたりする際の数え方によって「京都三大門」に入っていたり入ってなかったりですが、同じ臨済宗の南禅寺の三門(日本三大門)と比べてもけっして引けを取るものではないと思います。



三門にかかる扁額の「妙雲閣」の字は室町幕府第4第将軍・足利義持(義光の息子)の筆によるものと伝わります。
三門の楼上(非公開)には諸仏と極彩画が描かれているそうですが、公開時の写真を見るとかなり見応えがありそうな内部になっていました。

さて、京都の禅寺というとどうしても庭園ということになります。
東福寺には「本坊庭園」と「通天橋」の2つの庭園と名勝がありましたので、両方共に拝観することとしました。



「本坊庭園(八相の庭)」には庫裡から入り、方丈(僧侶の住居または応接の間)の東西南北にある4つの庭園を眺めながらぐるりと一周することが出来ました。
この「八相」とは寺院の案内では“北斗七星、蓬莱、瀛洲、壺梁、方丈、京都五山、須弥山、市松の八つの意匠を盛り込み、これが釈迦の入滅を表す「釈迦八相成道」にもあたることから「八相の庭」と名付けられた”とあり、“全体のストーリーが継るような構成となっている”といわれますが、これを理解するのはかなり難しいですね。



上の南庭には四つの神仙島、京都五山、須弥山間に枯山水が幾重にも描かれています。
西庭と北庭には苔の緑色の間に市松模様のように敷石が置かれていましたので、枯山水の南庭とは随分と意趣の異なる庭です。
正確な市松模様が徐々に並びが崩れていくのには何らかの意味があるのかもしれませんね。



方丈の庭の隅に何体かの石仏が置かれているのですが、由来などは分からないものの中々味わいのある石仏でした。



さて、「名勝」と呼ばれているのは紅葉シーズンには大勢の紅葉狩り人で溢れるという通天橋です。昨秋はあまりにも撮影者が多すぎて危険な状態になってきたため、橋上では撮影禁止となったとのニュースもありました。
通天橋は高さ8mの位置に架かり、橋の長さは27mといいますから、奥の方に居る人は遠すぎて霞んでしまうような長い橋です。



カエデの木はもう枝だけになっていて、紅葉の絶景を望むことは出来ませんが、訪れる方はそれなりにおられるようでした。
外国人(西洋系・アジア系)に一般観光客、修学旅行生のグループなどバラエティ豊富な感じを受けるのは京都の観光名所ならではということですね。



通天橋には峡谷に張り出した舞台があるのですが、ここから眼下に見下ろす紅葉は絶景でしょうね。
フォトフレームとして良い感じになりそうでしたが、紅葉シーズンは人混みで凄いことになっているようですし、そもそもその季節は撮影禁止ですからここから紅葉の風景を撮れるのは観光関係のカメラマンだけですね。



東福寺には通天橋の他に偃月橋・臥雲橋という3つの橋が架けられています。臥雲橋から通天橋の舞台が見えますが、その下には紅葉樹が雲海のように広がっています。
紅葉のシーズンには、ここに広がるカエデやモミジが真っ赤に染まるのですから、「名勝 通天橋」といわれるのも分かりますね。



東福寺ではまず「本坊庭園」と「通天橋」を見て回ったのですが、東福寺には禅寺として興味深い場所がいくつかありました。
書き出すと話が長くなってしまいますので、別の機会に改めて...続く。


コメント (2)
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