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“男のためのガーデニング”改め

「辻町の山之神」と「宮山二号墳」~弥生の森歴史公園~

2022-10-15 17:22:22 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 野洲市の「弥生の森歴史公園」へ訪れたのは、大岩山古墳群を構成する古墳のひとつ「宮山二号墳」を見学するためでした。
「宮山二号墳」周辺からは、1962年に東海道新幹線の建設に使う土砂を採集中に銅鐸が発見発見された場所で、同じ敷地内には「銅鐸博物館」や「弥生の森歴史公園」が併設されている。

銅鐸は弥生時代に五穀豊穣を祈願する祭祀の道具だったとされ、最初は吊り下げて音を鳴らす道具だったのが、時代とともに大型になり「見せる」目的へと変化していったとされています。
その後、銅鐸は埋納されるようになったのには諸説あるとされており、松本清張は“平時は埋納し、祭儀等の必要な時に掘り出して使用していたが、祭儀方式や信仰の変化により埋納されたまま忘れ去られた”としている。



公園内を散策していると銅鐸を模った板の上に「辻町の山の神」と書かれた案内板があった。
すぐ奥には「山之神」の文字が書かれた鳥居がある。



道の奥に進んでみると一角に「山之神」の大きな石碑と縄を編み込んだ勧請縄のような注連縄が吊るされていて、これには驚いた。
所在地は野洲市辻町ですので、辻町では現在も山之神の祭祀が行われているのかと思います。石碑の台の上には子孫繁栄を祈願する男女を模した複数の人形(ひとがた)が祀られてもいました。



石碑の横にあった石板には“三上神社 山の神 子孫繁栄 五穀豊穣 山の神のベンベラコロ”と彫られています。
“ベンベラコロ”とは何ぞや?となりますが、この意味は分かりませんでした。



しかしこの注連縄は編み込みに手が込んでおり、縄の上には小幣のように木の棒が差し込まれ、小縄には木の葉や紙が付けられています。
周辺はかなり開発が進んでいるとはいえ、辻町には三上神社があり、集落のもっとも山側にこの山之神はある。



山之神の石碑の台の部分には男女それぞれを模した人形(ひとがた)が祀られています。
プリミティブな印象を受けますが、国道や東海道新幹線が通る騒音がうるさいような場所に山之神が祀られているのは不思議な感覚にもなります。





さて、当初の目的であった「宮山二号墳」ですが、古墳はなんとアスファルトで舗装された広場の中央にありました。
墳丘は直径15m・高さ3.5mと大岩山古墳群の「円山古墳」「天王山古墳」「甲山古墳」と比べると小型の古墳で、大岩山古墳群の中で最後に築造された古墳と考えられています。



「宮山二号墳」は銅鐸が発見された1962年に発見されたようですが、天井や奥壁の一部が無くなり、木の根等によって側壁も崩れそうな状態だったといいます。
その後に石材の補充、石室や墳丘の積み直し等によって古墳は修復されたようです。



玄室へは羨道を通って入っていけるが、入口が低いため少し屈みながら入ることになる。
横穴式石室は南南西に開き、玄室には花崗岩を組み合わせた棺が安置されている。



「宮山二号墳」は6世紀末から7世紀初め頃に築造されたとされているが、その時期は既に古墳時代が終わりを告げており、飛鳥時代の頃。
「阿蘇溶結凝灰岩」や「二上山凝灰岩」を使った円山古墳や甲山古墳の家形石棺とは全く印象の異なる「花崗岩の組合式石棺」となっている。
尚、この「花崗岩の組合式石棺」は滋賀県では最古のものであるという。





古墳のある場所から駐車場を横切ると「弥生の森歴史公園」があり、竪穴住居や高床式倉庫が復元されて弥生時代の雰囲気が味わえる。
「弥生の森歴史公園」は、古代のハス「大賀ハス」が有名ですが、ハスはすでに花期を終えており、古代米(赤米)がそろそろ実ろうかという時期でした。



竪穴住居の中に入ってみると、なかなか快適な空間となっており、ここで暮らした弥生人の生活ぶりが垣間見える。
住居内では火を使って料理などもしたはずですので、茅葺の屋根の虫よけにもなっていたのでしょう。



敷地内にはスイレン池があり、スイレンやヒツジグサが咲いていました。
訪れたのは9月の中旬頃でしたが、この日は移動中に今年初めての彼岸花を見ましたので、この池のスイレンは花期が少し遅いのかもしれません。
また、池の反対側にシダが群生しており、リフレクションが見られる時間帯に来れば、きっと美しい光景が見られることでしょう。







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